日本代表がアジアカップ2019の準決勝で対戦することになったイラン。アジアでは最もFIFAランキングが高い国であり、これまでよりも厳しい戦いが予想される。
そのイランで最も警戒すべき危険な5名の選手とは誰か?
1:アリレザ・ビランヴァンド
「世界一の肩の強さを持つ」ゴールキーパーとして一気に有名となったイランナンバーワン守護神。その右手から放たれるボールは、敵陣深くまで鋭く飛んでいく。そのたびに世界中で映像が話題になるほどだ。
もちろん彼の強みはそれだけではない。大柄な体格を備え、フィジカルが強く、空中戦にも綻びを見せない。反射神経やセービング技術も優れており、今すぐ欧州に渡ってもおかしくない逸材だ。
彼が守るゴールを陥れなければ日本に勝機はない。先日はペルセポリスの守護神として鹿島アントラーズと戦っており、ビランヴァンドにとってはリベンジマッチにもなるはずだ。
20:サルダル・アズムン
時には信じられないようなシュートの外し方をするものの、それでもイランの最前線に彼は欠かせない。
かつてはイランのメッシとも呼ばれたが、今では最前線でのターゲットとして攻撃の起点となる役割をこなしつつ、チャンスでは抜け目なくゴールを狙う。いざという際にディフェンダーからボールを奪うプレッシング、裏に飛び出していくセンスも魅力だ。
若くしてロシアリーグに進出したことから様々な状況に対応できる能力を持ち、豊かな体格とスピードとテクニックを兼ね備えている。
ジャハンバフシュ、アミリ、タレミ、トラービなどイランには多くの有力アタッカーがいるが、彼を止めれば周囲も流れを失っていくだろう。吉田と冨安の仕事に期待したい。
9:ウミド・イブラヒミ
アズムンが最前線の柱なら、イブラヒミは中盤の配給役だ。カルロス・ケイロス監督に寵愛されるプレーメーカーは、アンカーとしても、2ボランチでも、インサイドハーフでも、攻撃的MFでも機能する。
決して体格には優れていないものの、高いテクニックとパスセンスを持ち、運動量もある。サウジアラビアにおける14番アティーフのように、彼からの供給を断つことは重要だ。
あまり得意ではなかった守備も改善されてきているが、今でもディフェンス重視の際に彼が1枚のボランチを務めることは少ない。
イブラヒミがどう使われるかという点は、ケイロス監督がその試合でどのようにプレーしたいかという意思を示すものにもなっている。
23:ラミン・レザイーアン
今大会でイランの右サイドバックは攻撃的な選手が揃っている。6番を付けているアハマド・ヌルラーヒーは、昨年ACL決勝で鹿島アントラーズと戦ったペルセポリスのレギュラーだ。
そのヌルラーヒーを抑えてスタメンに定着しているのがラミン・レザイーアン。昨季はベルギーのオーステンデでプレーしていたが、昨年夏にカタールのアル・シャハニヤーへ移籍している。
長身であるが豊かなスピードを備えており、鋭い攻撃参加が魅力だ。もともとウインガーであったためクロスやシュートにも力を発揮する。そのチャンスメイク力に気をつけたい。
その一方で、彼は決して受け身になっても常に輝けるタイプではない。それはヌルラーヒーにも言える。警戒すべきところでありつつ、日本にとっては狙い所にもなるだろう。
14:サマン・ゴドス
「一発」に気をつけたいという点でゴドスを選出した。レギュラーではないものの、おそらく途中出場からの決め手として使われるであろうからだ。
生まれ故郷のスウェーデン代表で2回親善試合に出場していたが、2017年にイランサッカー協会からの誘いを受けて招集を受託。ワールドカップではモロッコ戦で決勝点に繋がるフリーキックを奪うプレーを見せ、勝利に直結する貢献を見せた。
ハッキリ言えば、彼は本当に掴みどころのない選手だ。なんと説明すればいいのかよくわからない。ストライカーからウイング、トップ下からセンターハーフまであらゆるところをこなし、キックとボールタッチの技術、そしてチャンスに入り込むセンスを生かして得点につなげてくる。
イランではなかなか蹴る機会がないもののフリーキックも得意で、アクロバティックなプレーもできる。イエメン戦で決めた冷静なボレーシュートも話題になった。