[画像] 大化けの予感を感じさせる直球の伸びとコマンド力!シニア全国3位の原動力・岡本陸(江戸川中央シニア)

 これまで最速147キロ左腕・笹倉世凪(秀光中等教育)、150キロ右腕・森木大智(高知中)といったスーパー中学生を取材してきた。だがこういう逸材は稀。高校で急激に伸びる予感をさせる逸材と巡り会えた。その名は岡本陸。

 リトルシニアの強豪として名が通っている江戸川中央リトルシニアのエースとして、2018年のリトルシニア選手権大会では3位に輝き、ジャイアンツカップにも出場を果たした。 岡本の魅力といえば上半身、下半身の動きが連動したバランスの良いフォームから繰り出す130キロ弱のストレートはキレがあり、そのストレートを低めに丁寧に投げ込むピッチングは出色で、リトルシニア選手権では東北楽天リトルシニアを相手に完封勝利を挙げている。しっかりと体を作れば、高校で大化けを予感させる素質が岡本には備わっている。

 今回は、そんな岡本にインタビューを行い、江戸川中央リトルシニアでの野球生活や完封勝利も記録したリトルシニア選手権、そして将来の目標についてもお話しを伺った。

入団を許してくれなかった屋代監督に感謝岡本陸(江戸川中央シニア)

―― 今日はよろしくお願いします。それではまず、江戸川中央リトルシニアでの練習を振り返って屋代監督からはどんな指導を受けましたか?

岡本陸(以下、岡本) 監督さんは選手一人一人にとても熱く指導してくれます。自分が江戸川中央シニアに入ろうとした時、最初は監督が入らせてくれなかったんです。その時の理由が、自分が全然喋らなくて「江戸川中央というのは人間的成長をモットーにしているチームなので、そこで人間的成長をする覚悟があるならば入っていい」と言われました。 監督さんのお陰で人間的に成長させてもらってここまで来られたと思います。

―― 屋代監督の指導が、試合の中で活きたエピソードがあれば教えてください。

岡本 試合の中では、内野手とかと声の連携ができるようになりました。しっかりキャッチャーともサインの確認ができるようになって、投球の幅が広がったと思います。

―― ありがとうございます。続いて岡本投手のお話も伺いたいと思います。自分の持ち味は何だと思いますか?

岡本 持ち味は『真っ直ぐ』です。最速は130キロぐらいだと思いますが、伸びのあるボールが投げられていると思います。 以前までは身体が前に突っ込んだり、身体の開きが早かったのですが、それを抑えることで力をしっかり前に伝えることができるようになったと思います。

―― 練習ではどんなメニューをこなしてきましたか?

岡本 走ったりして下半身を鍛えたり、握力を鍛えて球がもっと延びるようにしました。ボールを握るトレーニングがあるのですが、それを両手で100回ずつぐらいやっていたら握力が上がりました。

―― そんな練習の甲斐もあり、リトルシニア選手権の2回戦では東北楽天シニアを相手に完封勝利を挙げました。あの試合を振り返ってもらえますか?

岡本 東北楽天シニアとの試合では、チームを神宮に連れて行くという思いを試合前からずっと持って投げました。みんなの気持ちを背負って投げられて、それで完封できたのでとても嬉しかったです。

―― あの試合は本当にナイスピッチングでしたね!今度はジャイアンツカップについて伺いたいのですが、敗れましたが大淀ボーイズとの2回戦を振り返ってもらえますか?

岡本 チームメイトの援護もあって、絶対に抑えなきゃダメだなと思っていた時に、球が甘いところに入ってしまいました。先頭打者を出すことも多くて、フォアボールもあって、それが失点に繋がったと思います。

目指す投手像は上沢直之投手岡本陸(江戸川中央シニア)

―― ここからは高校野球や将来について伺いたいと思います。まず高校野球ではどんなピッチャーになりたいですか?

岡本 自分はまだ真っ直ぐしか良くないと思っているので、変化球の精度を上げて、もっとバッターを打ち取れるピッチャーになりたいです。

―― 昨年の夏の甲子園はご覧になりましたか?

岡本 観ました。やはり決勝の、大阪桐蔭と金足農の試合が印象に残っています。大阪桐蔭打線は、どこからでも点が取れる打線で破壊力が凄いなと感じました。

―― 甲子園で凄いなと思った投手はいましたか?

岡本 やはり、吉田 輝星選手です。ストレートの延びが違って、地区大会から甲子園まで全部ひとりで投げていたので、スタミナもあってタフだなと思いました。

―― なるほど!ちなみに今目標にしている選手は誰ですか?

岡本 日本ハムファイターズの上沢 直之 選手です。まずコントロールが違って、試合を見て配球を観ているんですが、全然違いますね。いつも勉強させてもらっています。

―― それでは高校野球での目標を教えてください。

岡本 チームとしては甲子園に出て全国制覇したいですし、自分の目標としてはチームを甲子園に連れて行けるようなピッチングを毎回続けていきたいです。

―― ありがとうございます!それでは最後に最終的な目標も聞かせてください。

岡本 できれば高卒でプロに入りたいです。プロ入りして、すぐ一軍で勝てるピッチャーになりたいです。

文=栗崎 祐太朗