『映画刀剣乱舞』キャストインタビュー第2弾は、へし切長谷部役の和田雅成と不動行光役の椎名鯛造! 共に2016年の舞台初演より同役を務めているある意味“ベテラン”だが、「この組み合わせの取材はけっこうレア」とのこと。撮影中はポラを眺めて「家族写真みたい(笑)」と盛り上がるなど終始リラックス。続く対談でも気の置けない同士の和やかな空気の中、作品に寄せる真摯な気持ちを語り合ってくれた。

撮影/藤記美帆 取材・文/横澤由香 制作/アンファン

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▲左から椎名鯛造、和田雅成

舞台と同じメンバーで、違う本丸を経験できてありがたい

『刀剣乱舞』実写映画化の話を聞いたときは、どんなお気持ちでしたか?
椎名 驚き…ですよね。もう単純に驚きました。噂で聞こえてきていたんですよ。「なんか映画作るらしいぜ」的なことが(笑)。で、「キャストはどうなるんだろう?」なんて思っていたら、「俺らでできるらしい」と。それがわかったときの喜びはもう計り知れなかったですよ! ホントに嬉しくって、狂喜乱舞しました。
和田 うん。僕らでできる喜びはやっぱり大きかったですね。あと一番気になってたのは「どの本丸でやるのか」。舞台メンバーが中心ということは舞台を映画化するのか、それとも映画はまた別なのか。その後、脚本が小林靖子さんだとうかがい、別の本丸の物語だということがわかって。
キャラクターは一緒でもゲームユーザーの数だけ本丸があるのが『刀剣乱舞』。当然、舞台、ミュージカル、アニメとそれぞれが違う本丸として存在してきました。
椎名 そうなんです。映画でまた新しい本丸が誕生することになりました。
ということは、おのずと演じているキャラクターの在り方も変わってきます。
椎名 刀剣男士としての不動行光のベースはあくまでも一緒ですから、そこは崩さず、脚本の流れに沿うように不動行光の心の成長度合いを調整しました。
監督自身もすごく『刀剣乱舞』を愛してくださっていて、ゲームもやり込んでキャラクターを深くまで追究されていましたからね。現場でも「ここはこういう感じですよね」って軽くディスカッションするくらいで大丈夫。自然と細かいところまで共有できてるなって感じました。
和田 僕はとにかく脚本家さんが違うっていうのはすごくおっきなことだなぁと感じましたね。読んでみて、演じてみて、「これが小林さん色の本丸なんだ」って伝わってきましたし…。そこにいるへし切長谷部にもすでにどこか今までと違う空気があって…ホントに違うんですよ。
そこはもう理屈じゃないですよね。実際、同じ役者、同じキャラクターでも、映画の中にいる刀剣男士は今までと顔つきが違って見えました。
椎名 そう! それは僕も感じました。
和田 ホントにまったく別物だって感じでしたね。本丸が違うだけで自分たちもこんなふうに変われるんだっていうのが面白いですよねぇ。映画としてのいろんな“リアル”を作ろうとしてくださっているスタッフさんにも囲まれ、役者全員、終始楽しんで演じられた気がします。
椎名 こうして舞台と同じメンバーで違う本丸を経験できたなんて、ホントにありがたい経験。
たぶん「こっちの本丸も素敵だな」って思っていただけるでしょうし、そうじゃないとやった意味がないし、結果、ちゃんとそういうふうにできあがっていると思います。

ロケ先の宿で、シャワーが毎晩ビートを刻む!?

では、映画だからこそ苦労したポイントは?
椎名 苦労といったモノはなかったですね。監督は僕らが今まで舞台でどうやって『刀剣乱舞』を創ってきたかを丁寧に聞いてくださって、「それだったらこういう方向性で」と、役者側の意思をすごく汲んでくれていた。
ぶつかることもなく、お互い尊重し合っていいモノができたなぁという印象です。ま、身体的にはめちゃくちゃ大変でしたけどね(笑)。地方ロケで、夜遅いし、朝もすごく早いですし。
和田 舞台は長い稽古の中でブラッシュアップして仕上げていきますけど、今やったモノをすぐに再現し、それが丸々スクリーンに乗るのが映画なので、違う緊張感がありました。
戦闘シーンのスピードもアングルも、とてもスタイリッシュで見応えがありました。
椎名 そう、カッコいいんですよ〜!
和田 あの、誰かの刀と刀がバチーンッてぶつかったあとに、バーッとカメラが進んでそこにまた別の人たちが出てくるっていう…ね。あれも撮影中、監督が角度とか細かくこだわられていて、実際の画を観て「こういうことか!」と思いました。
椎名 わかる、あの一連の流れもオシャレだったよね。好き。
みなさん撮影時間はまちまちで?
和田 …なんですけど、結局は朝一緒にバスに乗っていって、またバスで一緒に帰ってくるので、終わるまで向こうでしばらく待ってることもありました。
椎名 苦労って意味では、そういう時間的な部分が一番大変だったかもなぁ。そういえば宿の大浴場がね、僕、お風呂大好きなんで毎日入ってたんですけど、なぜか全然誰にも会わなくて。雅成とかどうやって生活してたの?
和田 いやいやいや(笑)。シャワーでしょ、そこは普通に。部屋のシャワー。
椎名 だって…また部屋のシャワーがね、ビートを刻むんですよ。ドゥッ、ドゥドゥドゥ、ドゥッ、ドュドュ…って。
和田 ハハハハッ。ホント、ずっとそんな感じで、うまくこう…来ないんですよ。ビート刻むだけならまだしも、なかなかお湯にならず、そのお湯もシャーッて出てこない。ヘッドからチョロチョロとホースを伝って、タラタラ〜っと。
もどかしいやつですね(笑)。
和田 たぶんあれ、みんなが同じタイミングで一斉に使ってたからだと思います。
椎名 そういうことだ(笑)。なので僕はひとり優雅に、大浴場で一日の疲れを癒やしてました。
和田さんはどうやって疲れを癒やしていたんですか?
和田 僕は断然布団! 布団はホントにやさしいですよぉ(笑)。
椎名 ああ、それはもう完璧だね(笑)。

八嶋智人の面白さに、大先輩ならではの心遣いを感じた

織田信長に山本耕史さん、羽柴秀吉に八嶋智人さんと、人間役にも強力な布陣が揃いました。
椎名 あんな贅沢なおふたり、びっくりですよね。僕はお芝居で絡むシーンがほぼないので…雅成どうだった?
和田 へし切長谷部は日本号(演/岩永洋昭)と共に秀吉とのシーンが多かったので、僕らは八嶋さんとご一緒する機会が多くありました。八嶋さん、お芝居はもちろんなんですけど、現場の居方が素敵というかもういろいろびっくりで(笑)、得るモノがいっぱいありました。あの…基本的にはいつも常に面白いんですよ。
椎名 フフフッ。
和田 ご飯行っても、ぶわぁーーって面白いこと言い続けて、疲れたら急に寝る(笑)。
椎名 まじで!? 平和だね〜。
和田 平和でした(笑)。めちゃくちゃ大人なんですけど、いい意味で子どもみたいなところのある愛らしい方なんですよね。撮影中もテストからいろいろと身体張って仕掛けてこられて(笑)、それもね、僕らを和ませて場を温めてから本番へ…というプロの心遣いじゃないですか。大先輩なのにホントに一切手を抜かない、常に本気のお仕事を拝見させてもらいました。
椎名 素敵だね。
椎名さんの不動行光は鶯丸とのシーンが多かったですね。演じているのは映画から参加の廣瀬智紀さん。
椎名 廣瀬くんって普段はおだやかですごく不思議なオーラがあるんですけど、鶯丸としてすごい凛としてたし、キャラの関係性としては“頼りがいのあるお兄ちゃん”って感じで受け取ってました。
へし切長谷部とコンビを組んでいた日本号役の岩永さんも映画からの参加です。
和田 ヒロさんとは初めましてでしたけど、世界に入り込むのがとてもうまい方で、素敵な日本号だなぁって思いました。一緒のシーンだけど僕だけカメラに抜かれてるところも、ヒロさんは映らないのに横にいてくれて、「ここはまばたきしないほうがいいからね」とさりげなく伝えてくれたり。
舞台がメインの僕は芝居中にあまりそういうことは意識しないので、気をつけようと思っていても忘れちゃったりするんです。だから嬉しかったです。映像畑の方ならではの気遣いに助けられました。そういうところもまさに、達観して周りを見られる日本号そのまんまでしたね。

この3年半、ずっと刀剣男士のことを考えてきた

おふたりが感じる『映画刀剣乱舞』の面白さは?
椎名 初の映画化ですし、劇場にいらっしゃるみなさんもとても新鮮な気持ちで作品に向かい合ってくださると思うんですけど、ホントに最後、「…おぉっ」ってなると思うんですよ……とあるシーンで。
和田 そう、なるなる! ここでは言えないんだけどね〜。
椎名 ネタバレ禁止(笑)。だからなんか…「ホントにこの本丸素敵だなぁ」ていう瞬間が…あー、ここではこんなざっくりとしか言えないんですけど…とにかく「ありがとう!!」って。
和田 小林さんが特撮モノを多く書かれていることもあって、『映画刀剣乱舞』はある種“『刀剣乱舞』の特撮”みたいな雰囲気があるのが大きな特徴なのかな。特撮モノって幅広い世代が観やすい作品、どの年齢層にも気に入っていただける観心地があると僕は思っていて、今回、まさにそういうテイストの作品になってると思うんですよ。
エンタメ作品としての間口の広さがある。
和田 その入りやすさは大きいですよね。特撮の好きな方や時代劇の好きな方にも、この面白さが口コミとかで広まってくれたらいいなぁと、すっごく思います。
それと、舞台初演から数えると3年半近く『刀剣乱舞』に関わってきているので、僕はもう、へし切長谷部とずーっと一緒にいるなっていうイメージなんですよ。舞台が一作終わるたびにまた次へ、次へ…って続けてきたので、常にどこかで『刀剣乱舞』のことを考え続けてましたから。
その思いを持って今回映画にも臨めて、この先もたぶん…演じていくいかないに関わらず、へし切長谷部とはずっと一緒にいるんだろうなって思いますね。
椎名 すべての人の期待を100%裏切らないっていうのは難しいかもしれないけど、舞台でも映画でも演じている自分としては、「これが不動行光です」っていうのを自信を持って示せたら…と思って撮影に挑みました。
刀剣男士たちはみんなとってもカッコいいキャラクターばかりですけど、彼らがゲームでもアニメでもない生身の人間として存在し、戦い、人間ドラマを繰り広げている。それがどんなに楽しくてスゴいのか、ってところですよね。
和田 うん、いろんなスタッフさんが命を懸けて準備したモノに、僕らも命懸けで挑みました。これが、僕らの『刀剣乱舞』です。
和田雅成(わだ・まさなり)
1991年9月5日 生まれ。大阪府出身。A型。
大阪での活動を経て、2013年、舞台『合唱ブラボー! 〜ブラボー大作戦〜』より東京に拠点を移す。主な出演作に『おそ松さん on STAGE〜SIX MEN’S SHOW TIME〜』シリーズ(カラ松(F6)役)、『家庭教師ヒットマンREBORN! 』the STAGE(六道 骸役)、体内活劇『はたらく細胞』(白血球役)など。舞台『刀剣乱舞』にはへし切長谷部役として、シリーズ一作目「虚伝 燃ゆる本能寺」より出演した。2019年1月に舞台『画狂人 北斎』に、2月に舞台『泪橋ディンドンバンド3』に、4月にミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景篇に土方歳三役で出演する。
椎名鯛造(しいな・たいぞう)
1986年6月17日生まれ。岐阜県出身。A型。
ドラマ『中学生日記』などで子役として活躍。主な出演作に、『最遊記歌劇伝 』シリーズ(孫悟空役)、ミュージカル「忍たま乱太郎」シリーズ(善法寺伊作役)、『ダイヤのA The LIVE』シリーズ(小湊亮介役)、斬劇『戦国BASARA』シリーズ(猿飛佐助役)、ミュージカル『薄桜鬼』土方歳三 篇(山崎 烝役)など。舞台『刀剣乱舞』には不動行光役として、シリーズ一作目「虚伝 燃ゆる本能寺」より出演した。2019年3月に舞台『K -RETURN OF KINGS-』に八田美咲役で出演する。

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出演作品

『映画刀剣乱舞』
2019年1月18日(金)全国ロードショー
配給:東宝映像事業部
監督:耶雲哉治
脚本:小林靖子
キャスト:
三日月宗近:鈴木拡樹
山姥切国広:荒牧慶彦 薬研藤四郎:北村 諒 へし切長谷部:和田雅成
日本号:岩永洋昭 骨喰藤四郎:定本楓馬 不動行光:椎名鯛造
鶯丸:廣瀬智紀
羽柴秀吉:八嶋智人/織田信長:山本耕史
touken-movie2019.jp

© 2019「映画刀剣乱舞」製作委員会
© 2015-2019 DMM GAMES/Nitroplus

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、和田雅成さん×椎名鯛造さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2018年12月20日(木)20:00〜12月26日(水)20:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/12月27日(木)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから12月27日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき12月30日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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