まぶしいステージの上。自分の名前が呼ばれ、芸能界への第一歩を踏み出す――。22歳・飯島寛騎と18歳・奥野 壮のキャリアは「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」から始まった。同じ事務所に所属し、「仮面ライダー俳優」としても注目を集めるふたり。奥野主演の『仮面ライダージオウ』に、飯島扮する宝生永夢/仮面ライダーエグゼイドが登場するという発表も、ネットの話題をさらった。“先輩と後輩”にコンテストの思い出から「仮面ライダー」の話まで聞いた。

撮影/アライテツヤ 取材・文/青山香織

ふたりとも、「ジュノン」応募を提案したのは両親だった

おふたりはそれぞれ、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」をキッカケに芸能界入り。飯島さんは2015年の第28回、奥野さんは2017年の第30回にエントリーされました。まずは応募した理由から教えてください。
飯島 大学1年生のときに、母から「応募してみない?」と言われました。最初の2、3回は断っていたんですけれど、そのうち僕もノリで「いいよ〜」って答えて。それがキッカケでしたね。
コンテスト出身者の中にはその後『仮面ライダー』シリーズに出演される人も多いですが、飯島さんもそのときから「仮面ライダーになる!」という思いがあったのでしょうか?
飯島 それが、まったくなかったんです。2次審査を通った時点でベスト100に決まって、『JUNON』(主婦と生活社)に載るじゃないですか。それで「よっしゃー!」ってだいぶ満足していて。
奥野 「載ったぜー!」って(笑)。
飯島 そう、「孫にまで自慢できるぜー!」ってね。ありがたいことにベスト50、30…と進んで、結果的にグランプリという素晴らしい賞をいただいたんですけど、そのときは状況がよくわからなくて。まだ19歳で大学生だったので、「え、これ本当に芸能人になるの…?」みたいな。
そういう時期もあったんですが、そこから事務所が決まって、ライダーのオーディションを受けさせていただいて合格して。「これから俳優として頑張りたい」という気持ちが芽生えたのが、そのときです。
▲飯島寛騎
奥野さんがジュノンに応募されたキッカケは?
奥野 僕は11年間クラシックバレエをやってきたので、以前はバレエダンサーになりたかったんです。でもバレエをやめることになって、「することがなくなったから、新しく何かをしたいな。そういえば芸能に興味があるな」と親と話していたら、父親が「じゃあジュノンを受けてこい」と。
お父さんからの提案だったんですね!
奥野 たぶん、僕が軽々しく「イケメンコンテストに出ようかな」みたいなことを言ったから、プツンと来たんでしょうね。中途半端なことを言うんじゃなく、ちゃんとしたことをしてほしいと言われたんですが、それを「あーわかったわかった」って流してたら、勝手に応募されました(笑)。
飯島 まったく同じだ…。
奥野 最初は本当にやる気がなくて。でも、面接のときに周りの人たちがすごくカッコよく見えたんです。そこで「負けたくない」とやる気が出てきました。そうしてコンテストが進むにつれて、「俳優、カッコいいな。やりたいな」と。
▲奥野 壮

オーディション仲間から「キャリーの人」と呼ばれていた

ふたりとも、受賞後に『仮面ライダー』のオーディションを受けて、合格されていますね。飯島さんは『仮面ライダーエグゼイド』、奥野さんは9月2日から始まった『仮面ライダージオウ』。何か準備をされたのでしょうか?
飯島 過去の作品を見たくらいですね…。小さい頃は好きでよく見てたんですけど。そこからだいぶ長いときが流れたので、「今ってこんなにエフェクトあるんだ! スゲえ!」って思いました。
奥野 僕もそうですね。僕は『仮面ライダーゴースト』を見たんです。同じ事務所の西銘 駿さんが出演されてるので、事務所の人に「これを参考にしたら?」と勧められて。
以前、西銘さんにインタビューした際に、「演技の経験がまったくないのにオーディションで台本を渡されて、びっくりするくらい噛み倒した」とおっしゃっていました。おふたりは手応えはありましたか?
飯島 なかったですよ!(即答)
奥野 何が手応えかもわからなくて。周りの人たちが「○○に出演しました」と言っているのを聞いて、「スゴいなあ。お仕事をたくさんしている人たちが受けているんだ…」と。僕は自信家なほうなんですけど、何も準備してなかったので、「ああ、僕じゃないな」と感じてました。
飯島 僕は当時札幌に住んでて、オーディションのたびに札幌から東京に来てたんですけど、オーディションのまじめな雰囲気を知らなくて。普通にキャリーケースをガラガラ〜って転がして、「何かすごい重い空気だなー?」と思いながら自分の席に座って、(他人事のように)「…めっちゃみんな頑張ってんじゃん!」と。そういうよくわからない余裕はありました。
(ライダーに)決まったときは、オーディション仲間から「キャリーの人だ!」って言われました(笑)。
奥野 ははは!
飯島 ジュノンのコンテストでも、そう言われてたんですよね(笑)。
自己PRではどんなことを話したんですか?
飯島 何しゃべったっけなぁ……。ああ! 僕、『仮面ライダー龍騎』が好きだったんです。だから、「龍騎の『騎』と僕の名前の『騎』が一緒なんですよー!」とか話したかな。
奥野 僕はバレエを11年間やっていたのが武器になると思っていたので、それを伝えて。もう本当に自分の話をしただけです(苦笑)。
運動神経の良さをアピールしましたか?
飯島 してないですね…。アクションの練習は、撮影に入る前に1回やるよね? マットをしいてキャスト全員でやるんですけど、まあ大丈夫だったかな。
奥野 僕も、そこまで難しいっていうのはなかったです。
飯島 だから本編が進むにつれて、(スタッフから)「飯島くんならこれできるよね?」って軽い感じで言われて。「いやいや、そんなテンションで言う!?」みたいな(笑)。
奥野 あはは!
要求されるレベルがケタ違いなんですね(笑)。
飯島 わりと(敵に)やられる演技が多かったので、自分の中で「どうやったらひどくやられているように見えるか」と考えて、転がってるときに身体をひねったりと工夫していました。(永夢は)ドジな役なんですよ。だから今でも(他の作品の)監督さんから、「転びの演技は最初から上手い」って言われますね!
飯島さんから奥野さんに、撮影のアドバイスをすることもあるのでしょうか?
奥野 (笑顔で飯島さんをのぞき込む)
飯島 (目をそらして)僕は…アドバイスは…とくに……。
奥野 あはは! いつも「あっ、明日アフレコなの? ガンバレー!」って(笑)。
飯島 一言です(笑)。
奥野さんから飯島さんに「教えてください」と聞くことは?
奥野 いやー、まだないですね。いまのところ大丈夫です!
飯島 しっかり者ですねぇ…ちょっとくやしい(笑)。
奥野 あっ、そういえば、僕まぶしいのがすごく苦手で、「こうやったらまぶしくなくなるよ」っていう方法を教えてもらいました。(飯島さんに)覚えてます? 目をつぶってからパッと開いて、太陽のほうを見るんですけど。それを今でも実践してます。
へえ!! 飯島さんも、誰かに教えてもらったんでしょうか?
飯島 いえ、やったらできた(笑)。気合いで目を開けてたけど、ずっと見てたら「あれ? 意外と楽だ」ってことに気づいたんです。けっこう使えるよね。

引っ越し時の手続きは、学校で教えるべきですよ!

飯島さんは北海道出身、奥野さんは大阪府出身で、おふたりとも芸能界に入るタイミングで上京されたんですよね。奥野さんは、もうひとり暮らしには慣れましたか?
奥野 といっても何もすることがなくて…洗濯や自炊をたまにするくらいですね。
飯島 手続きとか大丈夫?
奥野 えっ、手続き…?(困惑しながら)大丈夫です。
飯島さんは上京時の手続きで困った経験が…?
奥野 ははは!
飯島 最初はわからなかったんですよ!(笑)それで親に何回も電話してましたね。
水道の切り替えやNHKの手続きとか(笑)。
奥野 僕はあらかじめ親から聞いてました。あとは一緒にやってくれたり。
飯島 学校で教えるべきですよ!
奥野 (笑)。本当にそうですよね! 確定申告のしかたとか。
でも今のところ、ひとり暮らしで、あんまり困ったことないですね。自分でも、けっこうしっかりしてるほうだと思ってます。
飯島 いやあ、本当にしっかりしてるよね? 18歳だと思えない…。
インタビューでもどんどん言葉が出てきて、とてもスムーズに答えてくださってます。取材慣れしてるのかなあって。
奥野 本当ですか! でもまだ、そこまで多くのインタビューを受けたわけではなくて。
飯島 普通は(うまく言葉が)出ないですよね?
そうだと思います。もともとお話されるのは得意なんですか?
奥野 それが僕、人と対面して話すのがすごく苦手で…。
全然そうは思えません…! 飯島さんはもうすっかり取材にも慣れたかと思いますが。
飯島 前より視野が広くなったから、だいぶしゃべれるようになりました。僕、取材の雰囲気を良くしたいんですよ。みなさんを笑かしたいんです。書けないようなことを言って「これ書かないでくださいね!」って言ってみたり(笑)。

標準語って何なんだ? セリフのイントネーションに苦戦

ライダーの撮影に話を戻しますが、演技では標準語ですよね。おふたりは方言などは出ないようですが…。
奥野 関西の子と話すときは、もうコッテコテです。ただ、関西弁でしゃべると関東の人にはケンカ口調に聞こえたりするんで…。あと「お前」って言っちゃうんですよね。「お前それはちゃうやろ」みたいな。
そういうのは抵抗があるし、すごく心を許してないと、関東の人に対しては関西弁は出ないですね。
じゃあ「標準語でしゃべらなきゃ」という意識がある?
奥野 いや、自然にという感じです。セリフも大丈夫です。
飯島 スゴいな、それ。
奥野 ただ、たまーに方言が出て、「そこはこうだよ」って言われたりします。たとえば…関東と関西だと「きのう(昨日)」の言い方が違うんですよね。そういう何気ない言葉は苦戦しました。
飯島 僕も(北海道のなまりが)あったみたいです。言葉自体は標準語っぽいんですけど、意外とイントネーションが違うようで、最初は「〜〜です」「〜〜ます」とかそのレベルで語尾を直されてましたね。やっとOKが出ても「えっ、これでいいの?」みたいな。違いがわからなくて。ってか、いまでもわかんないな(苦笑)。
奥野 関東の人どうしでも、イントネーションが違うときが多いみたいですね。それこそツクヨミ役の大幡しえりさん(埼玉県出身)と、ゲイツ役の押田 岳くん(神奈川県出身)も苦戦していて。(標準語って)何なんだろう?って思います。
飯島 これも学校で教えないからだよ。
奥野 本当にそうですよね。標準語も学校で教えたほうがいい!

やっぱり1年間の重みって大きい。先輩から感じた瞬間

飯島さんは、今年の1月にはドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)に出演。10月からはドラマ『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)にも出演されますが、ライダーの現場と違いを感じることは?
飯島 ライダーって敵がいるから、立ち居振る舞いや口調が大げさになりがちで。それを「もっとなめらかに、自然にして」って言われることもありました。それに慣れてきてからは、「存在感を出してやろう」という気持ちで、他の現場にも行っています。
去年の映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL』のインタビューで、「もしまたライダーの現場に帰ってこられたら、1年生ライダーを引き立てる、音楽で言うベースのような存在になっていたい」とおっしゃっていましたね。放送中の『仮面ライダージオウ』では、「宝生永夢/仮面ライダーエグゼイド」として出演することが発表されています。
飯島 まだ完成を見てないんですけど(※取材が行われたのは8月下旬)、なれてたらいいなあ。(奥野さん演じる常磐)ソウゴを引き立てられるポジションでいれたらなあって、撮影前から思っていました。まあ僕は“オマケ”みたいな感じなんですけど、
奥野 いやいやいや!
飯島 主役は君たちだから。僕は君たちをバックアップするよってことで、今回参加させていただきました。
実際に共演して、奥野さんから見た飯島さんはどうでしたか?
奥野 うーん…。
飯島 …とくにないみたいですね(笑)。
奥野 いやいや。アフレコの話なんですけど、「(飯島さんが)一発で決めていったよ!」っていうのをスタッフさんから聞いて。
飯島 (小声で)セリフがそんなに多くなかったからね…。
奥野 (笑)。カッコいいですよね! そういうところなんですよ。僕らは数テイク重ねて、やっとOKテイクがもらえる。ゲイツ役の岳くんとも「スゲえよ…!」って話してました。やっぱり1年間の重みって大きいんだなと感じましたね。
飯島 まあそれもあるんですけど…。変身後のアクターさんの微妙なニュアンスの動きまで、「あっ、ここにも声入れたいなあ」と広い視野で見れるようになって。そうすると、アフレコも楽しんでできると思うんです。
最初は苦戦したんですけど、アクターの高岩(成二)さんが永夢の演技に沿ってよく動いてくださって。アクターさんには感謝しかないです。そのおかげで一発で決められるようになった、いまの自分があるってことなんだと思います。
それでは最後に、お二方の俳優に対する意気込みを教えてください。
奥野 まずは『ジオウ』の1年間を通して、何かひとつでも多くのものを学んで吸収して、自分のものにしていけたらなと思います。これから1年というのが、長いのか短いのかはわからないですが、その期間をみなさんに楽しんでもらえるような作品を心がけますので、ぜひご覧ください!
飯島 最近、ライダー出身の先輩方が大活躍されてて、僕も最初、「お前もああいうふうになるんだよな?」ってプレッシャーはかけられてたんですけど…。でもそれ以前に、あんな素敵な現場で、何もわからない状態からいろいろ勉強させていただけたことがありがたくて。
「エグゼイド」って、めちゃくちゃ派手じゃないですか。出たばかりのときは過去イチで「何だこいつ? 本当にライダーか?」って言われてたじゃないですか。あれくらいの衝撃を、僕自身がいまの業界にぶつけられたらな、自分のあるがままを出せていけたらなって思っています!
飯島寛騎(いいじま・ひろき)
1996年8月16日生まれ。北海道出身。B型。2015年、第28回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」においてグランプリを受賞。2016年10月から放送された『仮面ライダーエグゼイド』(テレビ朝日系)では、宝生永夢/仮面ライダーエグゼイド役で主演を務める。2017年11月、 男性エンターテイメント集団「男劇団 青山表参道X」のメンバーとなる。2018年1月、ドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)に出演。10月3日から放送されるドラマと2019年春公開予定(東宝系)映画『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)に、“下剋上王子”鏑木 元役で出演。2019年1月映画『愛唄ー約束のナクヒトー』(東映系)公開予定。
奥野 壮(おくの・そう)
2000年8月21日生まれ。大阪府出身。A型。2017年、第30回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」においてフォトジェニック賞と明色美顔ボーイを受賞。2018年7月、 男性エンターテイメント集団「男劇団 青山表参道X」に加入。9月から放送された『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日系)では、常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ役で主演を務める。

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、飯島寛騎さん×奥野 壮さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2018年9月23日(日)9:00〜9月29日(土)9:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/10月1日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから10月1日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき10月4日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
  • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
  • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
  • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。