今や国民的なアニメとして多くの人から親しまれている「ちびまる子ちゃん」の作者・さくらももこさんが乳がんで亡くなったという訃報に、人気の高い中国国内でも衝撃が走った。中国メディア・東方網は30日、「あの頃、私たちはちびまる子ちゃんから道理を教わった」とする記事を掲載した。

 記事はまず、「全世界のちびまる子ちゃんファンにとって、8月27日はとても重苦しい1日になったはずだ」とし、同日さくらさんが15日に乳がんのため53歳の若さでこの世を去ったという報道が流れたことを紹介した。

 そのうえで、同作品の足跡を簡単に振り返り、マンガ雑誌の連載で人気を集めた同作品が1990年に初めてテレビアニメとして放送され、放送開始から程なく記録的な高視聴率をマークするなど一大ブームを巻き起こしたことを説明。アニメは一旦終了し、95年に第2期がスタートすると、日本国内のみならず世界各地で放送されるようになり、中国大陸、台湾、香港などでも放送され、やはりブームを巻き起こしたことを伝えている。

 また、さくらさんの少女時代がモデルになっている主人公のまるちゃんについて「明るくて行動的だが怠け者で、何でも切羽詰まらないとやらない。勉強はふまじめで成績は平凡、常にお姉ちゃんとケンカをする。幻想を好み、何をするにも長続きしない・・・ファンタジーに満ちたアニメキャラクターではなく、自分たちの生活の中にいるようなリアルな人間像だ」と評した。

 そして、まるちゃんの楽観的な精神、家族やクラスメイトたちとの心の通い合い、さらには彼女の口から出てくるお決まりのセリフは、いつでも自分たちの心を温めてくれたとした。「さくらももこよ、子どものころにこんな素晴らしい作品に出会わせてくれて、ありがとう。まるちゃんのように、天真爛漫に生きていきたい」と感謝を示している。

 記事はさらに、中国でも非常に人気の高い、日本を代表するアニメ3作品である「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」、「ちびまる子ちゃん」に共通点が1つ増えたと指摘。「それは、3作品とも原作者がすでにこの世を去ってしまったということだ」と伝えた。 「ドラえもん」の作者である藤子・F・不二雄さんは1996年に62歳で、「クレヨンしんちゃん」の作者・臼井義人さんは2009年に51歳で亡くなっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)