15日放送、関西テレビ「コヤぶるッ!SPORTS」に、野球解説者の古田敦也氏と山本昌氏が出演。前半戦を3位で終えた阪神タイガースの逆転優勝について論じた。

優勝通算5回で1992年に逆転優勝を経験している「球界の頭脳」古田氏と、優勝通算6回で2011年に最大10ゲーム差をひっくり返して優勝した「伝説の左腕」山本氏。“逆転優勝の達人”である両氏は、ともに阪神の逆転優勝は可能と予想した。

ただ、それは阪神に限ったことではない。古田氏は「メークドラマ」「メークレジェンド」と呼ばれた読売巨人軍のかつての逆転優勝劇を例に挙げ、当時の巨人も前半戦は弱かったと指摘する。

また、山本氏は首位の広島東洋カープと阪神がまだ7ゲーム差だと強調。5ゲーム差になると、「俄然やる気が出る」と、選手のモチベーションが急上昇すると明かした。

では、阪神の逆転優勝に必要なものは何か。古田氏は「メンバー固定」、山本氏は「守り勝つこと」を挙げている。

古田氏は「調子が悪くなったら替えられるという心境でやるとできない」と指摘。チャンスをじっくり与えたほうが、思い切った打撃ができる余裕が生まれるはずだと提言し、巨人の坂本勇人がその良い例だと述べた。

一方、山本氏は2011年に優勝した際の経験を語った。当時の中日ドラゴンズは打率と得点が12球団最低の時期があったものの、投手力など守備の力で逆転優勝を果たしたからだ。

山本氏は、現在打率がリーグ最下位ながら防御率がトップの阪神も状況が似ているとコメント。ただ、昨年と比べて不調のリリーフ陣の立て直しは必要と指摘した。

打撃で期待される一人が、好調の陽川尚将。古田氏は「2軍でもずっと何十本とホームランを打つのは難しい」とし、そこで結果を出している陽川は今後も4番で「やるべき」と太鼓判を押す。また、そのほかの若手も含め、2、3年前の広島をほうふつとさせる相乗効果が期待できるとしている。

そのうえで、今後のキーマンに古田氏が挙げたのは中谷将大。昨年20本塁打を打ちながら、安定していないことから「心配している」という。その中谷が右肩上がりになれば、阪神は強いとの見解を示した。

一方、山本氏がキーマンとしたのは小野泰己。投げているボールは二桁勝利を狙えるそれと称賛しつつ、終盤にコントロールを乱すなどの課題を克服し、後半戦で小野が6勝して二桁に届けば、チームが逆転優勝に近づくと述べている。

防御率4.30という数字にも、山本氏は「あのボールで4点台はやっぱりちょっともったいない」とコメント。「私にあのボール(直球)があれば、300勝してますよ」と、独特の表現で小野の才能を高く評価した。