7月2日、ラウンド16でベルギーに敗れ、西野ジャパンのロシア・ワールドカップでの戦いは幕を閉じた。その一戦をベンチから見守った酒井高徳は試合後に「次のワールドカップを目指すつもりはありません」と決断を口にしていたが、翌日、真意を次のように説明した。
 
「代表どうこうというより、次のワールドカップという話が出たので、次のワールドカップを目指すつもりはありませんと言いました。今大会はベテランの選手に支えてもらいここまで来ましたが、世界を見たら19歳や20代前半の選手が活躍している。日本も若くレベルの高いチームを目指さなくてはいけません。
 
 そう考えた時に自分は与えられたチャンスを掴めず、ワールドカップ2大会を終えた時に立場がさほど変わらず、これ以上自分が代表のひと枠を潰してしまうのは日本のためにならないと感じました。代表の試合は難しく、経験がないとすんなり入れないということは自分が一番身に染みて分かっています。だから若い選手は早くから代表に入るべきだと考えました。
 
 今後4年間、力を蓄えるという考え方もできると思いますが、僕は(酒井)宏樹や(山口)蛍やサコ(大迫勇也)の活躍を見て、ああいう選手が次のワールドカップでも日本を支えていかないといけないと思いましたが、自分のポジションは空けるべきタイミングかなと区切りを付けました」
 
 
 ロンドン五輪世代の27歳で、両SBをこなせる柔軟性が売りだ。日本代表にはコンスタントに招集されていただけに驚きの選択とも言えるが、本人のなかでは以前から葛藤はあったようだ。
 
「僕はチームでやっていることが代表につながると思ってここまでやってきました。ただチームでは降格争いを繰り返したなかで、成長がないとは思わないですが、技術的にアップしたいような試合がやりたくてもできないような状況がありました。ただ代表に来てみると(酒井)宏樹だったり、(長友)佑都くんの姿を見て、離されていく一方で、不甲斐なさ、もどかしさが常にありました」
 
 所属するドイツのハンブルクは2017-18シーズンに初の2部降格となり、新シーズンは出直しが求められる。そのなかですでに契約更新をしている酒井は、クラブでのプレーに集中する新たな1年を迎えることになりそうだ。

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