かつてイタリア代表の一員として06年のドイツ・ワールドカップを制した“王子”フランチェスコ・トッティに、グループリーグを展望してもらった。このレジェンドの見解からは今大会の全体像も浮かび上がってくるはずだ。
 
分析●フランチェスコ・トッティ
取材・文●パオロ・フォルコリン(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
翻訳・コーディネート●利根川晶子
 
――◆――◆――
 
グループE
◎本命 ポーランド
〇対抗 コロンビア
△穴  日本
    セネガル
 
勝ち上がる2チームを予想しやすいグループもあれば、このグループのように実力伯仲という組もある。あえて優劣をつけるなら、戦力的にはポーランドとコロンビアが少し上。
 
 ポーランドはFWのレバンドフスキ、GKのスチェスニーら攻守にワールドクラスを揃え、コロンビアもハメス、ファルカオ、クアドラードなどファンタジーア(創造性)と経験を兼ね備えたタレントを擁しており、上位進出を狙えるレベルにあるだろう。
 
「穴」にした日本の実力も侮れない。ワールドカップの常連国で、主力選手の多くはヨーロッパの主要リーグでプレーしている。もはやガムシャラに走るだけのチームではないし、個々のテクニックも戦術理解度も素晴らしい。
 
 セネガルも突破の可能性は十分だ。DFのクリバリはあらゆる意味でビッグだし、ケイタ、マネ、ソウといったアタッカーは相手に「悪い冗談だろ」と驚かせるような活躍を見せるかもしれない。失うものは何もないという思い切りの良さも大きな武器だ。
 
 PROFILE フランチェスコ・トッティ/1976年9月27日生まれ、イタリア出身。現役時代はFWもしくは攻撃的MFでプレー。25シーズンにわたってローマに在籍した。元イタリア代表で、2006年ドイツ・ワールドカップの優勝メンバーである。
 
※ワールドサッカーダイジェスト増刊『ロシア・ワールドカップ出場32か国完全選手名鑑』(6月7日発売号)より転載