パラグアイ戦で出色の出来を披露した乾貴士を、ドイツの老舗専門誌も絶賛だ。
 
 6月12日、オーストリア・インスブルックで行なわれた親善試合で、日本代表は南米の雄を相手に4-2の快勝。後半にゴールラッシュを決め込んだチームにあって、急先鋒となったのが天性のドリブラーだ。ともに右足で確度の高い中距離砲を繰り出し、ゴールネットを2度揺すった。
 
 かつてブンデスリーガのボーフムとフランクフルトで活躍した乾を称えたのが、毎度お馴染み専門誌の『Kicker』だ。「イヌイの2発が勝利への道を切り開く」と題し、マッチレポートを掲載した。
 
「日本はついに3試合目にして、アキラ・ニシノ(西野朗)政権下で初の勝利を挙げた。サムライブルーは強敵のパラグアイを4-2で下し、コロンビアとの初戦に向けて自信を深めたのだ」

 
 同誌はパラグアイ戦で酒井高徳、香川真司、そして武藤嘉紀のブンデス3人衆がスタメン出場を果たし、いずれも勝利に貢献したと記述。「前半は見るべき点に乏しく、あっさりと先制点を奪われるなどパッとしなかった」としつつ、「後半のイヌイのゴールが鐘を鳴らし、日本を目覚めさせたのだ。3-1から終了間際に1点を返されたものの、2アシストのカガワが追加点も決めて勝利を確実なものにした」と報じている。
 
 そして最後に、こう論じて締めている。
 
「この4-2の勝利で自信を取り戻した日本は、パラグアイを苦しめたように、同じ南米のコロンビアを追い詰めるかもしれない」
 
 スイス戦の完敗劇で底を付いていた欧州メディアの評価を、センセーショナルな勝ちっぷりで緩やかに上昇させた西野ジャパン。本番までの残り1週間で、どれだけの上積みを果たせるのか。63歳の指揮官の手綱さばきに期待だ。

【日本代表PHOTO】日本4-2パラグアイ|乾が2ゴール! 西野ジャパンが W杯本大会前ラストマッチを勝利で終える