22日、吉田麻也は報道陣の前に固い表情で現れた。日本代表の緊張感がそうさせていたのかもしれない。

「(監督交代の影響は)僕が聞きたいですよ。まだ(西野朗監督のトレーニングを)やってないですからね。戦術的な話はあまりまだやってないです。特に話もしていません」

「全員が揃ってからチームを構築しなきゃいけないし、ベーシックな守備はまず作るだろうし、攻撃の形、アイデアはもちろん出さなきゃいけないだろうし。やらなきゃいけないことはたくさんあるんで、一日も無駄にできないですし、より質の高いモノが大事になってくると思います」

時間がない中で強敵との戦いが待っている。初戦の相手、コロンビアは2014年ブラジルワールドカップで1-4と敗れた相手。その試合の雰囲気を変えたハメス・ロドリゲスについて聞かれると、語気が強くなった。

「(前回大会と今回は)状況が違うんで。(前回は)3試合目だったんで、僕たちは勝ちにいかなければいけなかったですし、点を取らなきゃいけなくて。後半はほとんど(コロンビアの攻撃と日本の守備が)数的同(人)数で守備しててスペースも大きくなったんで自由にやらせてしまいました。けれど、今回は1試合目ですし、お互いに固さもあるだろうし、難しさもあるだろうし、よりもっと拮抗した試合になると思います」

では今回の大会では、4年前のコロンビア戦と何を変えていきたいのか。吉田は一瞬押し黙って考え、「……すべてですね」と言葉を搾り出した。

「ワールドカップだからじゃなくて、この4年間の積み重ねなんで……その……何と言ったらいいですかね……」

そこで吉田は勢い込んで「見出しにポンと出るようなことはないです!」と語り、気持ちがほぐれたのか、報道陣とともに笑った。

【日本蹴球合同会社/森雅史】