中国の空港で18日、なんとアリの巣を丸ごとゴッソリ密輸しようとした男がいた。もちろん没収されたが、男が口にした意外な動機が関心を集めている。英メディア『Mail Online』ほかが伝えた。

中国・四川省の成都市にある「成都双流国際空港」の税関で今月18日午後3時ごろ、エチオピアの首都アディスアベバからエチオピア航空ET636便で飛んできた男(氏名などは明らかにされず)のスーツケースが検査台の上で開かれた。X線スキャンに通したところ、一般旅行客のスーツケースにはない奇妙な物体の存在を確信したからだという。ザラザラこぼれる砂や泥。茶色いヘチマたわしを思わせる穴だらけの不思議な物質。それは生きたアリがうごめく4.49kgもの重さがあるアリの巣であった。

「金色のアリは滋養強壮になるとあちらの人に聞き、これを中国に持ち帰ってワインに漬け込んでみようと思ったのです。自分で掘りました。」

アリを漬け込んだ酒は、関節痛を和らげる効果があると税関の職員に釈明したその男。しかし動物、鳥類、植物、昆虫、種子、泥、砂といったものは海外から持ち込めないものがほとんどであり、無事な通関など叶うわけもなかった。その後、アリは生きたまま四川出入境検験検疫局に持ち込まれた。男の身柄が警察に委ねられたかどうかは明らかにされていないが、少なくとも別室に誘導されて違法行為に対する厳しい叱責があったものと考えられる。

画像は『Express Digest 2018年3月20日付「Man smuggles an entire ant colony to China to make medicinal wine」(AsiaWire)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)