銅メダリストが“世紀の名勝負”を称賛「どちらが優勝してもおかしくなかった」

 平昌五輪スノーボード男子ハーフパイプ決勝でショーン・ホワイト(米国)が97.75点をマークし、2大会ぶり3度目の金メダルを獲得。95.25点をマークした平野歩夢(木下グループ)を最終試技で逆転した。ともに連続4回転という五輪史上初の大技を成功させる世紀の名勝負となったが、2人に最も近づいた銅メダリスト、スコッティ・ジェームス(オーストラリア)は「どちらが優勝してもおかしくなかった」と称賛したという。米地元紙「ワシントン・ポスト」が報じている。

 金と銀――。「2.25」というスコアが平野とホワイトの運命を分けたが、ともに死力を尽くし、2人と表彰台に立った実力者は、その差はなかったと感じているという。

 92.00点で銅メダルに輝いたジェームスは「(金メダルは)どちらの手にも渡る可能性はあった」と語ったという。記事では「ジェームスはこの日(試合翌日)ですら、ホワイトが最終ランでヒラノより高いスコアに相応しかったのか、不透明な発言をしている」と報じている。

 さらに、23歳のジェームスは平野、ホワイトとのライバル関係についても言及し、こう証言したという。

ジェームスが語ったライバル関係「本当に健康的。自分たちにとって凄いこと」

「本当に健康的だと思う。自分たちにとって凄いこと。他のスポーツでも選手が困難を乗り切るのを見るのは好きなんだ。そのプロセスが素晴らしいんだ。ショーンは数多くの素晴らしいことを成し遂げてきた。彼のような人間と対決した時は、つい自分自身をごまかしてしまうよ」

 平野は1月のエクストリームスポーツの世界的祭典「Xゲーム」で「フロントサイドダブルコーク1440」を決めると、続いて「キャブダブルコーク1440」を成功。4回転の連続メークという史上初の偉業を成し遂げ、日本の19歳は今大会の決勝2本目でも華麗に成功させていた。

 一方、ホワイトは当日の朝まで連続で成功できなかった4回転を最終演技で2連続で決め返した。3本目終了後、勝利を確信したように歓喜を爆発させていたホワイトと、クールな佇まいを崩さなかった平野。その2人としのぎを削ったジェームスだからこそ、目にできる風景があったのだろう。

 勝者と敗者の「違い」を見出すことはなかったようだ。(THE ANSWER編集部)