岩隈が「MLBカップ」優勝チームの武蔵府中リトルに野球教室実施

 マリナーズに残留が決まった岩隈久志投手が17日、自身も監修する都内のトレーニング施設「IWA ACADEMY」で野球教室を行った。今回のイベントは、7月末に宮城県石巻市で開催されたリトルリーグ小学4、5年生の全国大会「MLBカップ」で優勝した武蔵府中リトルのためのホスピタリティーイベントとして行われた。

 武蔵府中リトルの小学生19人とその父兄に対し、岩隈による実技指導が行われただけでなく、同施設のトレーナー陣によるトレーニング講習、ストレッチなどのコンディショニング講習と、3つの分野でそれぞれの方法や休息、ケアの重要性などの講習が行われた。

 講習終了後には、質疑応答のコーナーも設けられ、子供や父兄からの質問に岩隈が回答。その中で右腕は子供たちに貴重な言葉をいくつも送った。

「僕は小学生から野球が大好きで、絶対にプロになれると思っていました。プロの選手の真似とかも、格好つけてやっていた。そういう気持ちを絶対に忘れて欲しくないですし、プロの選手の真似をするのも上手くなることに繋がる」

「大事なのは諦めないこと、やり続けること。例えば、1キロ毎日走るとか、毎日100スイングするとか、続けていくことができると、自分に負けなくなる」

「高校時代には野球がつまらなくなってやめたいと思ったこともあります。でも、好きだったのでやめなかったら、たまたまスカウトの人が見てくれてプロになれた。チャンスはあるので、諦めずにやることが大事」

「子供の頃にやっていて良かったのは、土日しかチームの練習はなかったんですけど、野球がやりたくて、毎日みんなで集まって野球をしたり、壁当てをしたりとかしていました。そういうのは今でも生きているかな、と思います。あとは勉強をしっかりやっておけば良かったなと思いますね。勉強は大事だから」

「野球は楽しくやって欲しい。好きな気持ちを忘れずにやって欲しいですね」

岩隈も驚いた子供たちのレベルの高さ、「小さい時にはこんなに出来ていたかなと思うくらい」

 こういった実技だけでなく、トレーニング方法やケア、休息の必要性をトータル的に教える野球教室は珍しい。イベント終了後に取材に応じた岩隈は「すごくレベルが高くて、僕たちが小さい時にはこんなに出来ていたかなと思うくらい、みんな出来ている子が多かった」と子供たちのレベルの高さに驚きつつも、「ただ野球をやっていればいいだけじゃないですし、やり過ぎて怪我をしてしまっている子供もいると思う。何が大事かというのを伝えたいというのもありますし、そのためにこの施設もあります」と語った。

「トレーニングしてリカバリーして、また練習してという繰り返しを作ることで、怪我の予防だったり、技術向上のためになると思っています。今日やって子供たちの目もすごくイキイキしていた。休息も、もちろん大事です。食事のこともですし、睡眠をしっかり取ることで回復する。

 小学生は疲れることはあまりないかもしれないけど、寝れば回復もすると思うんですけど、だんだん大きくなってくると、睡眠、回復の大事さを感じると思う。今のうちから知識として知っておいてもらえるとありがたいなと思いますね」

 そう語る岩隈の口調に熱を帯びていった。現役メジャーリーガーによる約3時間に及んだ野球教室は、子供たちにとって貴重な体験であり、今後に役立つ知識となったことだろう。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)