15歳が見る18歳の背中…コーチが語った関係性「メドベージェワは人生のロールモデル」

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルで初出場初優勝を飾ったロシアの15歳、アリーナ・ザギトワ。一躍、平昌五輪の金メダル候補の一角に躍り出たが、大本命は同じロシアの18歳、エフゲニア・メドベージェワだ。スケート大国が擁する2人の美しき天才。両者を指導するコーチは2人の関係性について明かしている。米テレビ局「NBCスポーツ」が伝えている。

 ザギトワはシニアデビューとなった今季、GPシリーズで連勝を飾ると、初出場となったファイナルも優勝。ジャンプをすべて後半に固めるなど、15歳ながら高難度の演技構成をこなし、一躍、スターダムにのし上がっている。

 そのファイナルを、11月のNHK杯後に判明した故障により欠場したメドベージェワ。世界選手権を2連覇し、個人戦は昨季から負けなしの連勝街道を走り続け、18歳ながら無欠の女王として平昌五輪金メダルの最有力と目されている。

 10代にしてフィギュア界を席巻する2人。そんな両者を指導するのが、名コーチとして知られるエテリ・トゥトベリーゼ氏だ。2つの才能の関係性をどう見ているのか。

「私は、ザギトワにとってジェーニャ(メドベージェワの愛称)は人生におけるロールモデル(模範)だと考えています」

 記事では、このように語ったトゥトベリーゼ氏。「練習に励む姿勢、練習量もそうです。決して止まることがない」とも話し、3歳上のメドベージェワが見せる“女王の背中”は、ザギトワにとって良き手本になっているという。

2人のライバル関係が「双方にとって助け」になる理由とは

 しかし、ザギトワばかりにメリットがあるわけではないようだ。トゥトベリーゼ氏は「それは双方にとって助けになります」と語り、こう続けた。

「私はジェーニャに対し、『見なさい、どれほどアリーナが練習しているか』と指摘することができるし、アリーナに対しても『見なさい、ジェーニャがどれほど練習しているか』と指摘することができるんです」

 母国ロシアに拠点を置き、厳しい練習で知られる環境下で、常に互いが見える場所にいることで意識し、刺激し合うことで好循環に好循環があるようだ。

 記事でも「エテリ・トゥトベリーゼは、メドベージェワとザギトワを相棒としてのライバル関係を築かせることで相乗効果を生み出している」と分析している。

 平昌五輪はロシアがIOCから参加禁止処分を課され、個人では厳格な条件下で出場を目指すことになるが、そろって出場すれば、1、2位独占も含め、躍進が期待される。

 良き先輩・後輩であり、良きライバルである2人がどんな歩みを見せるのか。世界から熱視線が送られている。