高コスパスマホ「AQUOS sense SHV40」はCA非対応ですが……その影響やいかに!?
既報通り、KDDIおよび沖縄セルラー電話が約5.0インチのフルHD(1080×1920ドット)IGZO液晶を搭載したAndroid 7.1(開発コード名:Nougat)採用のスマートフォン(スマホ)「AQUOS sense SHV40」(シャープ製)を11月2日に発売しました。

AQUOS sense SHV40はシャープが新スタンダードとして今冬に投入する新しいシリーズ「AQUOS sense」の第1弾のau版で、すでにauショップ店頭や公式Webストア「-->-->-->-->-->-->-->au Online Shop」などにて販売中で、本体価格は32,400円(税込)となっています。

またAQUOS senseはNTTドコモ向けが11月10日に発売され、UQ mobile向けが11月下旬に発売予定となっており、スペックはほぼ同じで前面パネルと背面の素材などを変えたSIMフリー版「AQUOS sense lite SH-M05」も12月上旬発売予定です。

そんなコストパフォーマンスが高い“高コスパスマホ”として注目を浴びているAQUOS senseですが、買い替えをお考えの方の中には、通信速度を速める「キャリアアグリゲーション(CA)」に非対応であることが気になるという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

AQUOS sense SHV40はCA非対応機種で、通信速度は受信最大150Mbpsおよび送信最大25Mbpsとなっています。ハイスペックでCA対応している機種では例えばauなら「Galaxy Note8 SCV37」が受信最大708Mbps(東名阪のみ)および送信最大50Mbps(千葉県の一部)ということでやや差があるように感じます。

今回は筆者手持ちのCA対応機種(受信最大225Mbpsおよび送信最大25Mbps)である「Xperia Z5 SOV32」とAQUOS sense SHV40でスピードテストアプリで通信速度を比較し、どのくらいの違いがあるのかを調べてみました。


調査を実施した仙台駅コンコースステンドグラス前

スピードテストは11月9日の朝の時間帯(7:43〜47)、昼の時間帯(13:09〜15)、夕方の時間帯(17:41〜45)、仙台駅コンコースの待ち合わせスペース、ステンドグラス前で行いました。仙台駅のある宮城県仙台市青葉区中央1丁目周辺はCAに対応した受信最大225Mbpsおよび送信最大25Mbpsのエリアとしてauが公表しています。どの時間帯も待ち合わせの人で混雑している状況でした。スピードテストアプリは「Speedtest.net」を使用し、各時間帯3回の測定を行いました。

◯朝の時間帯

AQUOS sense SHV40朝のスピードテスト測定結果



Xperia Z5 SOV32朝のスピードテスト測定結果

回数1回目2回目3回目平均AQUOS sense SHV40受信61.09
送信4.04受信56.42
送信6.74受信55.43
送信4.82受信57.65
送信5.20Xperia Z5 SOV32受信121.89
送信6.96受信84.94
送信6.61受信70.51
送信5.18受信92.45
送信6.25

朝の時間帯は、昼や夕方よりも速度の出る時間帯でしたが、CA非対応のAQUOS sense SHV40が受信で平均57.65Mbpsだったのに対し、CA対応のXperia Z5 SOV32は受信で平均92.45Mbpsとかなり速く、はっきりと差が出ました。送信も1Mbpsほどの差ですが、Xperia Z5 SOV32の方がやや速い結果となりました。確かにCAの有無で違いは出ます。

◯昼の時間帯

AQUOS sense SHV40昼のスピードテスト測定結果



Xperia Z5 SOV32昼のスピードテスト測定結果

回数1回目2回目3回目平均AQUOS sense SHV40受信54.36
送信4.04受信61.85
送信5.54受信66.23
送信6.98受信60.81
送信5.52Xperia Z5 SOV32受信67.72
送信7.22受信83.65
送信7.10受信69.14
送信6.66受信73.50
送信6.99
こちらもCA対応Xperia Z5 SOV32の方が受信の通信速度が速くなりましたが、朝ほどは大きな差がついていません。朝よりも混み合っているからなのか、CA非対応のAQUOS sense SHV40との差は縮まりました。なお、送信はほとんど差がありません。

◯夕方の時間帯

AQUOS sense SHV40夕方のスピードテスト測定結果



Xperia Z5 SOV32夕方のスピードテスト測定結果

回数1回目2回目3回目平均AQUOS sense SHV40受信44.00
送信5.44受信29.74
送信4.90受信42.18
送信2.46受信38.64
送信4.27Xperia Z5 SOV32受信56.46
送信1.15受信43.00
送信1.83受信46.31
送信1.59受信48.59
送信1.52
夕方の時間帯はさらに混み合っているせいか、どちらも速度が落ちました。CA対応のXperia Z5 SOV32の方が若干受信では速度が上回っていますが、それほど大きな差はありません。また、送信ではAQUOS sense SHV40の方が速度が速くなる結果となりました。

あまり混雑していない時間帯ではCAの優位性はかなり出ますが、混雑している時間帯ではその優位性が少なくなる印象でした。AQUOS sense SHV40はCA非対応で、CA対応のXperia Z5 SOV32より体感的にも若干受信速度が落ちる印象はありましたが、通信速度が使用に耐えないほど遅いということはありません。今回の結果からも分かる通り、混雑時はCA対応・非対応問わず通信速度は落ちますし、CA対応機との速度差もそれほど大きくはありません。

今のハイスペック機種はさらに高速のCA対応となっていますので、今のハイスペック機種を使って高速通信可能なエリアであれば、もっと大きな差が出る可能性もあると思いますが、高速通信可能なエリアはまだ限定的ですので、非常に高速で通信できることにこだわりがなければ、AQUOS sense SHV40も安心して使えます。

当然、受信最大75Mbpsおよび送信最大25Mbpsの800MHz帯のみのエリアでは大きな差にはなりません。通信速度にこだわるなら自分が住んでいるエリアでCA対応機種でどのくらいのスピードが出るのかを確認した上でCA対応機種を買うか、AQUOS sense SHV40のようなCA非対応機種を買うかを選択されてはいかがでしょうか。



記事執筆:こば


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