[画像] 元日本代表MF稲本潤一が語る、ACL日本勢苦戦の原因 「若く才能のある選手たちが…」

15年から札幌でプレーする稲本「若い選手たちと戦える力があることを示したい」

 J1北海道コンサドーレ札幌の元日本代表MF稲本潤一にスポーツ専門テレビ局「FOXスポーツ」アジア版がインタビューを実施。浦和レッズが今季AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で決勝に進出しているものの、稲本は近年の同大会で日本勢が苦戦傾向にある原因の一つとして、若手選手たちの早期海外移籍を挙げている。

 ガンバ大阪の下部組織で育った稲本は、22歳になる直前の2001年にアーセナルに移籍し、その後にトルコやフランス、ドイツでキャリアを積んだ。その後は2010年に川崎フロンターレに加入する形でJリーグに復帰し、15年から札幌でプレーしている。

 稲本はJリーグ復帰について「まだまだ若い選手たちと戦える力があることを示したいし、それによって少しでも長くキャリアを続けたい」と話している。

 そして話題はACLに移り、インタビュアーから「なぜJリーグ勢はACLの舞台で中国勢や韓国勢、中東のチームに後れを取っている現状があるのか」と問いかけられると、稲本はヨーロッパとの関係性を原因に求めている。

「今、若く才能と実力のある選手たちは早いうちにヨーロッパに移籍してのキャリアを求める傾向にある。もし彼らがヨーロッパに行く前に、その同じ時間を日本にとどまって試合のレベルを上げることに貢献してくれるのであれば、状況を変える助けになると思う」

早期海外移籍で成功か、アジアの舞台で活躍か

 一例を挙げれば、今季のACLで決勝進出を果たしている浦和レッズからも、MF関根貴大が夏の移籍市場でドイツ2部インゴルシュタットに移籍した。また、グループステージ敗退後だったものの、ガンバ大阪のMF堂安律もオランダ移籍を選んでいる。こうした若き世代の才能が早い時点で欧州移籍を選択することは、ACLを勝ち上がるうえでチームのプラスにならないのではないかと指摘している。

 稲本のように早期に海外にキャリアを求めて成長を遂げる道もあれば、その一方でJリーグにとどまって出場機会を確保し、アジアの舞台で活躍する選択肢もある。どちらにもメリットがあり、一概にどちらが良いと言えるものではないが、稲本は現在プレーするJリーグ側からの立場として持論を展開した。

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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images