ロバーツ監督はあらためてエースを絶賛「彼はとても勤勉に野球に取り組んでいる」

 ドジャースアストロズが世界一をかけて激突するワールドシリーズが24日(日本時間25日)に開幕する。ドジャースの初戦先発はエースのクレイトン・カーショー投手。アストロズの強力打線を相手にどのようなピッチングを見せるのか、注目が集まるが、特にア・リーグの今季MVP最有力候補とされる“小さな巨人”ホセ・アルトゥーベ内野手との対戦が大きなポイントになる。

 現在のメジャー最強投手vsメジャー最強打者といっても過言ではないだろう。サイ・ヤング賞3度にMVP受賞経験もあるカーショーと、4年連続200安打&2年連続首位打者&6年連続30盗塁に加えて長打力も年々上昇している身長167.6センチのアルトゥーベ。ワールドシリーズの舞台での“最強対決”が実現する。

 ロバーツ監督は、カーショーに絶大な信頼を寄せる。前日会見で「カーショーのピッチングに対する考え方や準備など、彼の素晴らしさたる所以をどのように見ているか」と質問を受けると、エースをあらためて褒めちぎった。

「彼のファンとしては、彼が登板日に活躍し、彼がこれまでにもたらしたエナジーや感情、そして成功に感謝している。しかし、その裏で私が見てきたのは、来る日も来る日も、彼はとても勤勉に野球に取り組んでいることだ。それこそまさに私が驚かされたことだ。

 最高のレベルに達していてもなお、さらなる進歩のために努力する事、それに加えて彼がキャリアを通じて示してきた一貫性は、先発や野手を含んだ彼のチームメートたちに影響を与えてきている。そういうところが、称賛に値するんだ。スーパースターというのはどんな気分かはわからないけど、彼が日頃行い、目的を持って取り組む全てのことは、実に理にかなっている」

“小さな巨人”アルトゥーベの凄さ「彼は限りなくパーフェクトに近い選手」

 味方だけではない。敵将のA・J・ヒンチ監督もメジャー最強左腕に脱帽する。ただ、当然、初戦で沈黙するつもりはない。

「1年のこの段階では、優秀ではない選手と対決するなんてことは、まずないだろう。カーショーよりも優れたピッチャーと対戦するなんて話もないだろうからね。誰もが恐れるあらゆる武器を彼は持っている。エースが持つべき競争力を持っている。ホームの観衆の前で登板するということになるから、多くの事が彼を後押しするだろう。ただ、我々は一歩も引くつもりはない。彼のことを恐れてもいない」

 カーショー攻略へ、中心となるのは、もちろんアルトゥーベ。ヒンチ監督が自信を持つ根拠の1つだろう。

「監督として、彼が限りなくパーフェクトに近い選手だと言う以外表現しようがない。彼はこのチーム、そして組織においてあらゆる点で優秀だということだ。我々アストロズを象徴している。このメジャーリーグにおいて彼ほど一貫性のある選手はいない。だからこそ、彼がMVPだと信じているんだ。4月に始まり、5月、6月、7月、8月、そして9月に入り、今に至るまで彼よりもパフォーマンスを維持・向上させている選手を知らない。そういうわけで、彼が好調な時は我々は手強いよ。彼は実際好調な日が多いからね。打撃も守備も、本物だよ」

 アルトゥーベはリーグ優勝決定シリーズで、敵地ヤンキースタジアムでは3試合連続ノーヒットと突然、不調に陥った。その結果、アストロズは3連敗。だが、王手をかけられて本拠地に戻った第6戦でアルトゥーベが復調すると、打線も復活。崖っぷちからの2連勝でワールドシリーズ進出を決めた。

 カーショーがアルトゥーベを抑え込めるか。アルトゥーベがカーショーを攻略できるか。大事な初戦のカギは、2人のスーパースターが握っている。(Full-Count編集部)