かつて日本代表MFの香川真司を指導したプレミアリーグのレジェンドは、今度はもう一人の“シンジ”を指導することになるのかもしれない。
 
 元マンチェスター・ユナイテッドMFのライアン・ギグスが、英国メディア『スカイスポーツ』のインタビューで、現在空席となっているレスターとエバートンの指揮官の座に興味を示している。
 
 ギグスは1990年のトップチームデビューから2014年に引退するまでマンチェスター・U一筋でプレーし、プレミアリーグ出場が歴代2位の632試合を数えるレジェンドだ。引退直前の2013年には当時のデイビッド・モイーズ監督の要請を受けて選手兼コーチとなり、2014年4月からは解任されたモイーズの後任として選手兼監督に。当時所属していた香川を指導していた。
 
 その後、14年夏から2年間に渡りマンチェスター・Uでルイス・ファン・ハール監督のアシスタントコーチを務めたギグスは、昨シーズンにジョゼ・モウリーニョ監督が就任するとともに愛着のあるクラブを離れていた。
 
 現在はフリーの身で、スカイスポーツなどで解説も務めている現在43歳のギグスは、現場復帰に意欲的。10月17日にクレイグ・シェイクスピア監督を解任したレスターと同月23日にロナルド・クーマンを見切ったエバートンでの指揮に興味を示している。
 
 ギグスは同メディアのインタビューに対して、「2シーズン前にチャンピオンになったレスターと偉大な歴史を持つファンタスティックなクラブのエバートン」とそれぞれを称賛し、「いずれも興味深い仕事だね」と意欲的な態度を見せたのだ。
 
 しかし、インタビューでは自身が指導をしていくうえでの“条件”も提示している。
 
「考えを共有できるクラブの話を聞きたいと思う。私はそのクラブを良くしたいと思うし、選手たちの成長を助けたい。彼らが喜んでチャレンジできるようにしてやりたいんだ。そして何より、クラブの地位や歴史よりも、今そのクラブが持っている哲学を重要視している」
 
 いまだ指導者としてのキャリアが浅いギグスは、「チャンピオンシップ(英2部)やリーグ1(英3部)も経験になるならありうる」と、下部リーグで研鑽を磨くことも厭わない姿勢も見せている。
 
 ちなみにレスターの後任人事は、大物監督を求めるオーナーのビチャイ・スリヴァッダナプラバ氏の意向が重要視されているようで、英紙『サン』など複数の現地メディアの挙げる候補者は、トーマス・トゥヘルやサム・アラダイス、カルロ・アンチェロッティ、マヌエル・ペレグリーニなど枚挙に暇がない。
 
 そのなかでメディアを通じて就任に意欲を示したギグスは、実績こそ乏しいものの、ネームバリュー的にはオーナーの意向にも沿ううってつけの人材でもある。日本代表FWの岡崎慎司にも大きく影響する動向だけに、引き続き注目だ。