U-17W杯ベスト16で涙 PK戦までもつれ込む戦いぶりを米メディアが紹介

 U-17ワールドカップ(W杯)に出場していた日本代表は、現地時間17日に行われた決勝トーナメント1回戦のイングランド戦でPK戦の末に敗退した。

 しかしビッグクラブの将来を担うとされる有望株たち相手に見せた戦いぶりは各国メディアも評価しており、米スポーツ専門テレビ局「ESPN」は森山佳郎監督のコメント、久保建英(FC東京U-18)を中心に仕掛けたカウンターなどを紹介している。

 試合は前半からイングランドに押される展開となった。それでもなんとか無失点に凌いでスコアレスのままPK戦に持ち込んだが、5人が成功した相手に対して1本の失敗が重くのしかかり、PKスコア3-5で敗れベスト16で涙を呑んだ。

 あと一歩で勝利を逃した形となった日本だが、「優勝候補の一角、イングランドとの対戦で日本がどれくらい力を保っているかを垣間見ることができた」と、同局はやられっぱなしではなかったと分析。小林友希(神戸U-18)と菅原由勢(名古屋U18)のセンターバックコンビを中心に、リバプール所属のFWリアン・ブリュースター相手に一歩も引かず、福岡慎平(京都U-18)と平川怜(FC東京U-18)のダブルボランチもイングランドの4-2-3-1システムにスペースを与えず、コンパクトな陣形を保ったと評価した。

 また攻撃面でも、カウンターでの“一刺し”を狙っていたことにも言及。「“アジアのメッシ”と呼ばれる久保がカウンターで生きるためのスペースを確保した。前半こそ(マーカーだった)マーク・グエイのフィジカル面に苦しんだが、試合が進むごとに宮代大聖(川崎U-18)と日本の得点王である中村敬斗(三菱養和SCユース)に対してボールを持ち運ぶ場面もあった」と、久保を中心とした攻撃も繰り出せたことを記している。

「この涙を次の努力に変えていく必要がある」

 森山監督は「我々はゲームプラン通りにプレーしました。チャンスこそありましたが、技術、精度、スピード、フィジカルでの強さとまだ向上する必要があります。私たちは向上するために、日本国内でより多くの強度の高い戦いが必要です」と話すとともに、「ピッチには何人かリーダーがいて、イングランドのプレッシャーが厳しかった前半に数多くの声が聞けました。最後の20分間でこそ結果は得られなかったですが、この涙を次の努力に変えていく必要があります」とも話したと伝えている。

 チームが2年半にわたって掲げた目標である世界一こそ逃したものの、フランスやイングランドなどの強豪と対戦する経験を得た若き日本代表。この悔しさを糧に、3年後の東京五輪まで研鑽を積んでいきたい。

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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images