いたずらにしては度が過ぎるとはまさにこのことだ。3か月以上にわたり搭乗客の荷物に付けられたタグを差し替え、本来の目的地とは別の場所へ届くように仕向けるという悪質行為をしていたシンガポールの空港職員が、このほど逮捕・起訴された。『The Straits Times』『BBC News』などが伝えている。

シンガポール・チャンギ国際空港で働く荷物係の職員テイ・ブーン・ケー(Tay Boon Keh、63)は昨年11月8日から今年2月までのほぼ毎日、搭乗客の荷物のタグを差し替えるという悪質かつ迷惑極まりない行為を繰り返していた。

目的地が印刷されたタグが取り換えられると、当然その荷物は別の場所へ届けられてしまう。これまでテイがタグを差し替えていたのは本来マレーシアのペナンや、香港、マニラ、ロンドン、パースへ搭乗客とともに運ばれる予定の荷物だったようだ。

シルクエアーやシンガポール航空、ルフトハンザドイツ航空がこれらの被害を受けており、9月19日にテイは286件におよぶいたずら行為で起訴された。今回の犯行はテイ個人のもので、航空の安全を侵害する行為には該当しないとされている。この件以降、荷物運搬エリアでは監視カメラや取り締まりを強化しパトロールも行っていると同空港のスポークスマンは述べている。

テイがなぜこのような悪質行為をしていたのか、動機は明らかになっていない。しかし10月17日に行われる裁判で有罪判決が下れば、1年の懲役に加え286件の各起訴事実に対しての罰金が科せられることになるという。

画像は『The Straits Times 2017年9月19日付「Baggage handler accused of swopping tags on hundreds of bags at Changi Airport」(ST PHOTO: WONG KWAI CHOW)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)