Googleが、HTCのPixel開発チームを買収しました。買収額は11億ドル(約1237億円)とされます。チームはこれまでGoogleのPixelおよびPixel XLを生み出し、現在はそれぞれの後継機種を開発中とされていましたが、今後はGoogle本隊としてデバイスを開発することになります。また、HTCはHTCで今後も従来どおりのビジネスを継続します。

HTCのCFOによると、約4000人いる開発部門のおよそ半分がGoogleに合流することになり、これにはHTCの知的財産権の非独占的ライセンスも含まれるとのこと。ただし、HTCは今後も次のフラッグシップモデルを含めスマートフォン事業を継続することを強調しました。

HTCの共同創設者でCEOのCher Wang氏は「この合意は我々の長期にわたる協力における素晴らしいステップとなります。HTCのスマートフォンとViveによるVRビジネスが着実に革新を続けつつ、Googleが独自のハードウェアビジネスを加速することを可能にします」とコメントしました。

事前に、台湾証券取引所がHTCについて「重大な情報公開」が出るまではHTCの株取引を停止すると発表してていたため、HTCに関してはGoogleとの蜜月が終わる、またはVR事業に集中するためGoogleにスマートフォン事業を売却するのではといった憶測がとびかっていました。HTCには今年3月の時点で、上海のスマートフォン工場を売却し、そこで得た利益をVR事業にまわすといった報道もありました。

HTCのリリースによると、GoogleはPixelスマートフォンシリーズをサポートするためにHTCのIPにアクセスすることが可能であるとのこと。またGoogleハードウェア部門SVPのRick Osterloh氏は「Googleは今後もハードウェアに力を入れていく」としています。

なお、規制当局による承認の関係で、Pixelチームの移行完了は2018年前半になる見込みです。またGoogleは10月4日に「Pixel 2」発表イベントを予定しています。