ウニオン・ベルリン戦はベンチスタートも、1-1の局面で「チャンスが来ると思った」

 今季ドイツ1部アウクスブルクから同2部フォルトゥナ・デュッセルドルフへと期限付き移籍した日本代表FW宇佐美貴史は、現地時間10日に行われたウニオン・ベルリン戦に途中出場し、チームの窮地を救う同点ゴールを決めた。

 加入早々の一撃について、「準備はできていた」と心身ともに万全だったと語っている。デュッセルドルフの公式サイトが報じた。

 宇佐美は移籍期限前日の8月30日、1年の期限付きで加入。代表期間中に行われた9月5日の練習試合トゥル・デュッセルドルフ戦に後半から出場し、FKキッカーを任されるなど猛アピールした。そして迎えた元日本代表DF内田篤人が所属するウニオン・ベルリン戦。移籍後初の公式戦はベンチスタートとなったが、後半23分に同点に追いつかれた際、自分の出番を予期していたという。

「(フォルトゥナが)1-1の同点ゴールを奪われた時、オフェンスの選手として、自分にチャンスが来ると思った。そして、そのチャンスが実際に訪れた。準備はできていた」

 宇佐美は後半29分に登場すると、1点ビハインドで迎えた同39分に見せ場を作る。左サイドのロングスローから空中戦が発生すると、ファーサイドにいた宇佐美がタイミングよく走り込んで右足アウトサイドで巧みに叩き込み、2-2の同点弾をゲット。宇佐美のデビュー弾で勢いに乗ったデュッセルドルフは3-2で逆転勝利に成功した。記事によれば、ゴールの場面では、こぼれ球を想定していたという。

「シーズン終了時にどの順位にいるかが大事」

「あの時は、(スローインされた)ボールがヘディングでつながれるかディフェンスにクリアされながら、自分のところにこぼれて来ると予想していた。日頃の練習で徹底してセンタリングからのシュートをトレーニングしてきていたし、だからこそああやってボールがこぼれて来ることに対して予想し、良い準備をしていることができた」

 デビュー戦でゴールを決める最高のスタートを切った宇佐美だが、本人は至って冷静だ。「もちろん、チームにとって非常に重要な同点ゴールを決めることができてとても嬉しく思う」としつつも、「チームが勝利したこと、それが最も大事だと思っている」と新天地デュッセルドルフへの貢献に手ごたえを感じている様子だ。

「まだ5試合が終わったところ。(4勝1分けの勝ち点13で)首位に立っているという事実は素晴らしいが、まだ29試合が残っている。シーズンが終了した時にどの順位にいるか、それが大事なこと」

 ゴールに浮かれることなく、宇佐美の目はさらなる活躍だけを見据えている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images