「常識を覆す販売戦略だ」──。9月1日にホンダが発売した軽自動車「N-BOX(エヌボックス)」の新型モデルについて、ある自動車メーカー幹部は驚く。

 エヌボックスといえば、箱型の独特のデザインや広い室内空間が特に子育て世帯に支持され、2011年12月の初代発売から5年間で4度の軽自動車年度販売台数1位を獲得。軽以外を含めた新車全体でも今年上半期(1〜6月)の累計でついにトヨタ自動車「プリウス」を抜いた、日本で一番売れている車だ。

 ホンダの国内販売の約3割を占める主力シリーズだけに、今回のフルモデルチェンジでは構成部品の約9割を見直すという力の入れようだ。その結果、従来モデルよりも約80キログラムの大幅な軽量化に成功。室内空間をさらに広くし、助手席のロングスライドによって車内で移動しやすくするなど、もともとの強みだった居住性に磨きをかけた。

業界の販売戦略に影響か

 だが冒頭の幹部を驚かせたのはこれらのモデルチェンジではなく、ホンダが今回、高価格帯の上級車に搭載している最新の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を、エヌボックスの全グレードに標準装備したことにある。

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