J1リーグは8月9日に21節の9試合を行なった。ここでは、その9試合からサッカーダイジェストWeb編集部がセレクトしたベストイレブンを紹介する。
 
【選出理由】
 今節、神戸に勝利し首位に躍り出た鹿島のアタッカーが輝きを放った。
 
 2トップの一角として出場した金崎夢生は、先制される展開のなか、非凡な決定力で69分、86分と得点を重ね2得点の大活躍。また精力的なプレスバックなど守備面でもチームを支えた。今節の最高点となる『7.5』を付け、MVPとした。
 
 また、2シャドーには清水の北川航也とFC東京の大久保嘉人を選出。前者は今季リーグ戦初先発で2ゴール、後者は技ありの決勝ゴールを決めてインパクトを残し、両者ともに貴重な勝利の立役者となった。
 
 2-0と快勝した横浜と川崎からは2名ずつ選出。横浜では、齋藤学が持ち味のスピード溢れる突破で相手の脅威となり、中澤佑二は冷静さを保った守備でチームの士気を高めていた。川崎は、中村憲剛が攻守の勤勉さを維持しながらも追加点を決め、奈良竜樹は高いラインを保ち、1対1とクロスで強さと安定感があった。
 
 そのほか、広島のアンデルソン・ロペスはパトリックとの好連係をみせ、2ゴールを挙げる活躍。浦和の柏木陽介は華麗なループシュートで決勝点を挙げるなど、チームに勝利をもたらした。DFの一角には、2本の決定機を決めることが出来なかったものの、ボールホルダーへの厳しいマークで無失点に大きく貢献した仙台の増嶋竜也をセレクトした。
 
 GKには鳥栖の権田修一を2週連続で選出。何度も相手の決定機をシャットアウトし、チームに勝点をもたらした。
【今節のベストイレブン】
GK
33 権田修一(鳥栖) 7
65分にクリスティアーノのシュートを会心のセーブ。82分には小池のミドルシュートをストップするなどファインプレーを披露。見事無失点に抑え、チームに勝点をもたらした。
 
DF
3 奈良竜樹(川崎) 6.5
新潟の背後狙いにも慌てず、高い位置保つ。1対1、クロスへの対応に強さと安定感。
 
22 中澤佑二(横浜) 6.5
 この選手の冷静さ、老練さは見事と評するよりほかない。良い意味で全体的には大きく目立たず、要所では強く存在感を出した。
 
50 増嶋竜也(仙台) 6.5
ボールホルダーへタイトなマークで無失点に大きく貢献。コーナーキックからの決定機2回のどちらかは決めたかったが、3試合ぶり先発出場で気持ちの入ったプレーぶりだった。
 
MF
10 柏木陽介(浦和) 7
阿部との補完性を保ちながら攻撃にアクセントを加えた。19分、R・シルバとのワンツーでペナルティエリア内に侵入すると、左足で鮮やかなループシュートを放ちネットを揺らす。攻撃に停滞感があっただけに、貴重な決勝点だった。
 
14 中村憲剛(川崎) 7
無駄な動きを抑えて消耗を避けつつ、攻守の勤勉さは維持。決定的な追加点で勝負を決める。
 
44 アンデルソン・ロペス(広島) 6.5
果敢に左足を振り抜いて先制点を奪取するとノッた。パトリックと良い連係を見せ、同点弾も沈めた。
 
10 齋藤 学(横浜) 6.5
前半の早い時間帯からポジションを左へと移した。スピード溢れる突破は間違いなく札幌に脅威を与えていた。
 
FW
13 大久保嘉人(FC東京) 6.5
73分に前田に代わってピッチに立つと、4分後には値千金の決勝ゴールを決める。まさにゴールハンターと呼ぶに相応しい仕事っぷりだった。
 
23 北川航也(清水) 7
前半は動きが重かったが、後半は眩い輝きを放つ。ターンして左足で決めた1点目、松原のクロスをヒールで合わせた2点目ともに、インパクト十分なゴールだった。
 
THIS WEEK MVP
33 金崎夢生(鹿島) 7.5
これぞエースの仕事ぶり。中村の落としを正確な右足シュートでねじ込むと、巧みな裏への抜け出しでキム・スンギュとの1対1を制し、試合をひっくり返す。前を向いてボールを持てば推進力あるドリブルで敵を押し込み、精力的なプレスバックでも奮闘した。
 
※選手名の左の数字はクラブでの背番号。右は今節の採点。
採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。