富良野といえばラベンダー。そしてラベンダーといえば、ここ、ファーム富田です。かつて香料の原料として盛んに生産されるも、人工香料に押されて姿を消していった富良野のラベンダー。そのなかで何とか守られたのが、ここ富田家の畑でした。7〜8月を中心に紫色の美しい景観を見せてくれるラベンダーは、今や北海道を代表する風景にもなっています。ファーム富田の園内にはラベンダー以外にもさまざまな花畑が設けられ、見どころはいっぱい。ゆっくり時間をかけて歩きまわってみましょう。

ファーム富田/「森のラベンダー畑」にも植えられている「濃紫早咲」

ファーム富田の園内に数ある畑のなかで、メインとなるラベンダー畑がこの「倖の畑」(さきわいのはたけ)。正面入口に近く、畑の周囲はいつも大勢の人でにぎわっています。ところで、ラベンダーにもいくつかの種類があるのをご存じでしょうか。この倖の畑には「濃紫早咲(のうしはやざき)」、「おかむらさき」、「ようてい」、「はなもいわ」と4種が植えられており、花の付き方や色の濃さもそれぞれに異なります。畑に表示もあるので、注意して見ると色の違いがわかっておもしろいですよ。なお、それぞれの畑には名称を記す標識などはありません。園内の各ショップで無料のガイドマップをもらえるので、それを見ながら歩くのがおすすめです。

全体が緩やかな傾斜地となっているファーム富田の、上に向かって進んでみましょう。道路を越えた最上段に位置するのが「森のラベンダー畑」。カラマツやシラカバに囲まれた畑で、それらの木々が背景となり、立体感のある風景を作り出しています。ここにも「濃紫早咲」「おかむらさき」の2種が植えられています。

森のラベンダー畑に隣り合うのが「山の彩りの畑」。2017年、新たに作られた畑で、ポピーを中心とする色鮮やかな花たちが見ものです。背後にはシラカバ林があり、カラフルな花と白い幹とのコントラストが、畑全体に爽やかな印象を与えていますよ。

少々傾斜のきつい場所を歩いたあとは、ひと休みにしましょう。園内にはいろいろなカフェやショップがありますが、そのひとつ「アルブの舎(いえ)」は2017年オープンの新しいスポット。2つの塔をもち、古い駅舎をイメージした建物です。ファーム富田名物の「ラベンダーソフトクリーム」(300円)は、ここでも味わえますよ。

ラベンダーエキス入りで、淡いラベンダーカラーの色合い。コクのあるソフトクリームにラベンダーの風味が加わり、さっぱりとした味わいです。

メインのラベンダー畑「倖の畑」を見下ろす場所には、石畳の道沿いには小さなショップが4軒並んでいます。これが「倖の小路(さきわいのこみち)」。日差しを遮る広い屋根の下で、スイーツやドリンクとともに小休止。真夏のシーズンにはカットメロンも味わえますよ。

園内の中ほどに「マザーズガーデン」と呼ばれる小さな庭園があります。決して華やかなものではありませんが、ここは創業者のお母さんが手塩に掛けて育てた庭なのです。現在の観光スポットができ上がる以前のファーム富田の歴史を伝える、大切な場所といえるでしょう。

園内には食事ができるスポットもあります。ちょっとおなかが空いたときにおすすめなのが「上富良野産ポークと富良野パンのソーセージドッグ」(440円)と「花畑で採れたはちみつクロワッサン」(150円)。どちらも園内の「ポプリの舎」、「カフェ ルネ」で扱っていますよ。

オリジナルのグッズにも注目です。正面入口にある「花人の舎(はなびとのいえ)」1階のショップ「マリー」には、おみやげに良さそうなアイテムがたくさん揃っています。「ラベンダーオイルミストおかむらさき」(1350円)、「ラベンダーソープギフト」(1166円)、「アロマディッシュセット」(2289円)など、ラベンダーを用いた商品がいろいろ。目移りしてしまいそうな品揃えですよ!

夏の富良野の代表的な観光スポット、ファーム富田。ラベンダーの美しさを全国区に広げた見事な畑は、一度は訪れてみる価値があります。また、おみやげに最適なオリジナルグッズを数多く扱っていることも大きな魅力。この夏、「ファーム富田」で色鮮やかな思い出を作ってみてはいかがですか?

■住所:中富良野町基線北15号 ■電話:0167・39・3939 ■時間:8:30〜17:00(時期により異なる) ■休み:冬季休園(11月上旬〜4月中旬)、ほか店舗により季節休業あり ■料金:入園無料

【北海道ウォーカー編集部】