日本では主婦や学生を中心に、毎日のように自転車に乗るという人は少なくないだろう。また、近年は健康志向の高まりを背景に、自転車で通勤する人も増えている。中国でも最近はシェアサイクルが普及し、自転車が再び身近な存在となっているが、シェアサイクルではない個人所有の自転車はたびたび窃盗の対象になるのだという。
 
 中国メディアの今日頭条はこのほど、同じ自転車なのに「なぜ日本では自転車の窃盗が少ないのか」と疑問を投げかけつつ、日本と中国の違いについて考察している。
 
 日本でももちろん自転車の窃盗がないわけではない。だが、自転車の窃盗を防ぎ、盗まれた場合は追跡するシステムが存在する。記事は、日本では自転車を購入した際には防犯登録をすることが義務付けられていることを紹介し、これによって盗まれた際や発見された際の照会が可能になっていることを指摘したほか、自転車であっても窃盗が犯罪である以上、日本では厳しい処罰が下されることを伝えた。
 
 一方で、中国で自転車がしばしば盗まれるのは「自転車があまり豊かではない人びとの乗り物」であることも関係していると主張。こうした人びとは社会的な発言権が弱く、警察も真剣に探してくれないことを窃盗犯は知っていると伝え、「窃盗犯にとってはリスクがなく、盗むのも簡単であり、たとえ捕まっても重罪にならない」のだと紹介、だからこそ中国では自転車の窃盗事件が後を絶たないのだと伝えた。
 
 日本では自転車は極端に高額な乗り物ではない。そのためか、中古自転車市場はあまり発展していないが、中国では中古自転車の転売が容易な環境にあるため、転売による利益を目的に盗む人も多いようだ。中国では家の外に自転車を停めておく場合、チェーンなどでしっかりと鍵をかけて対策を取っても、すぐに盗まれてしまう可能性が高い。そのため、高価な自転車は家の中に持ち込んで保管している人も多い。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)