また、インターバル規制導入の労使協定を締結する場合には管理職は対象に含まれないのが一般的だ。これは時間外労働の上限規制についても同じだ。

 導入企業の中には非管理職のみを対象にしているところもある。導入企業の人事担当者は「勤務間インターバルを導入した結果、仕事が終わらなくても部下を早く帰らせる必要があり、その分の仕事を管理職が担うケースが増えた」と指摘する。

 管理職に負担がかかり健康を害する事態になれば職場環境の悪化にもつながりかねない。 実は今回の労政審の報告書には長時間労働に対する健康確保措置として、1カ月100時間を超える残業をした者の申し出があった場合の医師の面接指導の義務化の基準を80時間超に引き下げることにしている。

 さらに面接指導の適切な実施を図るために「管理監督者を含む、すべての労働者を対象として、労働時間の把握について、客観的な方法その他適切な方法によらなければならない旨を省令に規定する」としている。具体的な把握方法は通達において明確化することになっている。

 法令でも管理職の労働時間管理が強く求められてくる。勤務間インターバルにおいても管理職も含めた全社員を対象にするなど実効性のある制度の設計が必要だろう。

 さらに言えば、真に実効性を持たせるには制度の導入に併せて仕事の効率化や業務プロセスの見直しなどの働き方の変革を推進することが重要なことは言うまでもない。