【ソウル聯合ニュース】韓米首脳会談を終えた韓国の視線は中国との外交に向けられている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はトランプ米大統領との初会談で少なからず成果を上げたが、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備めぐり、中国との溝が埋まる兆しがみられない。

 文大統領は訪米中、THAAD配備について、韓国の主権に関する事案だとした上で「韓国の主権的決定に対し中国が不当に干渉するのは望ましくない」と強調。中国に向けたメッセージをさらに明確にさせた。
 5日からドイツ・ハンブルクで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた韓中首脳会談が実現した場合は大きな関心が集まるしかない状況となった。
 韓米首脳会談では、韓米日3カ国の協力が何度も強調され、中国の内心は穏やかではなさそうだ。
 韓米首脳会談後に発表された共同声明には「両首脳は域内関係を発展させ、韓米日3カ国協力を拡大させていく」との内容が盛り込まれた。声明は「3カ国の安保および防衛協力」「3者メカニズムの活用」「3カ国関係の活用」など5回にわたり韓米日協力の重要性を強調した。
 北朝鮮核の脅威への対応で韓米日協力の重要性は新しいものではないが、共同声明で何度も強調されたのは目を引く。
 韓東大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授(国際関係学)は 「共同声明の内容のかなりの割合を占めていることから、トランプ大統領が今後、韓米日協力に拍車をかけるとみられる」と述べた。
 韓国の民間シンクタンク、世宗研究所のイ・ミョンウ博士も「これまでトランプ大統領がほぼ注目していなかったという点で、韓米日協力に関する内容がこれほどの割合で共同声明に盛り込まれたのは意外だ」と評価した。
 結局、中国との関係改善を図る韓国政府としては北朝鮮核への対応で韓米日協力が強固であることを再確認したという成果を得るとともに、今後中国を説得しなければならない課題が残ったが、この課題が容易ではない。 
 専門家らは政府が基本原則を守りつつ長期的な観点から慎重な態度で中国を説得しなければならないと助言する。
 イ博士は「韓米日協力が中国を疎外させるのではなく、韓米首脳が協力を始める段階で関係を固めるものであること、北の核の脅威が深刻な現実において韓米同盟がわれわれの安全保障の基本であることを中国側にうまく説明する必要がある」と述べた。
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