中国自動車市場で日系車が好調な販売を続けているが、中国市場は国土が広大なだけに、同じ車種であっても地域によって売れ行きが異なる。中国北部に比べ、中国南部の方が日系車の売れ行きが良い傾向にあり、特に広東省は日系メーカーの独壇場とも言っても過言ではないほど、日系車が広い支持を得ている。
 
 中国メディアの今日頭条は21日、中国国内における日系メーカーの省別の販売状況を見てみると、各メーカーともに広東省が上位にあるのが普通であると指摘し、広東人はなぜ日系車を好むのかと疑問を投げかける記事を掲載した。
 
 記事は、日系車が広東省で売れる理由について、一部では「広東省一帯に日系メーカーの工場が数多く存在するため」という考察がなされていると紹介する一方、この考察は正確ではないと主張。なぜなら、広東省で生産されていない日系車でも広東省での売れ行きが好調だからだと論じた。
 
 続けて、広東省で日系車が売れるのは「それだけ高いブランド力を持つからである」と主張し、広東省の人びとにとって「日系車は市場黎明期から存在していた車」であり、日系車は当時から「憧れ」として君臨していたと指摘。
 
 香港にほど近い広東省には中国で自動車が普及する前から香港経由で自動車が持ち込まれていたとし、当時のクラウンやカローラなどの日本車が広東省で日系車に対する良質な口コミを醸成したとし、こうした文化と良質な口コミが今も脈々と受け継がれていると指摘した。
 
 また、中国人の性格や気質は北方と南方の人で大きく異なるのが一般的で、消費においても現実的で実用性のあるものを好む広東人にとって、日系車が持つ「燃費性能の高さ」は大きな魅力に映ると指摘し、こうした理由がもとで広東人は日系車をこよなく愛すのだと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)