過去5年の打撃成績上位3人はほぼパの打者、セでトップ3入りは2人だけ!?

 30日に開幕を迎える「日本生命 セ・パ交流戦」。毎年パ・リーグは全体を通して好成績を収め「実力のパ」を体現しているが、中でも打者陣に注目すると、それは顕著に表れている。今回は過去5年を遡って、打撃成績上位3人を振り返っていこう。

【2012年】
1、角中勝也外野手(ロッテ)打率.349、1本塁打、14打点
2、田中賢介内野手(日本ハム)打率.344、1本塁打、12打点
3、中村剛也内野手(西武)打率.342、12本塁打、32打点

 上位3人をパ・リーグの選手で占めた2012年の交流戦。このシーズンで自身初の首位打者に輝くことになる角中が、交流戦でもその打棒を発揮し高打率を記録した。2位に続いたのは田中賢。翌年のメジャー挑戦を前に2012年シーズンは、通算でも打率3割を記録し好調を維持した。交流戦の通算本塁打記録を持つ中村は、12本塁打を記録し、セ・リーグの投手を震え上がらせた。

【2013年】
1、長谷川勇也外野手(ソフトバンク)打率.418、3本塁打、18打点
2、内川聖一内野手(ソフトバンク)打率.385、5本塁打、21打点
3、松田宣浩内野手(ソフトバンク)打率.360、4本塁打、23打点

 ソフトバンクの選手が3傑を占めた2013年。唯一4割を超えた長谷川はこの年、最終的に198安打を放って首位打者を獲得。キャリアハイとなる活躍を見せた。チームとしても2年ぶりの交流戦優勝を果たした。

【2014年】
1、山田哲人内野手(ヤクルト)打率.378、4本塁打、15打点
2、柳田悠岐外野手(ソフトバンク)打率.371、3本塁打、20打点
3、李大浩内野手(ソフトバンク)打率.370、6本塁打、21打点
3、中村晃外野手(ソフトバンク)打率.370、2本塁打、16打点

 過去5年のうち唯一セ・リーグの選手が首位打者となったこの年。2位以下にはズラリとソフトバンクの選手が並ぶ結果となっている。山田はこの年、右打者のシーズン最多安打記録を更新する好調ぶりだったが、2位につけた柳田もこの年、自身初の規定打席到達を果たした。翌年にはトリプルスリーを同時に達成することになる2人が、その兆しを見せた交流戦であったと言えるだろう。

15年はハイレベルな争い、16年は交流戦MVPに輝いた打者が大ブレーク

【2015年】
1、秋山翔吾外野手(西武)打率.432、3本塁打、11打点
2、柳田悠岐外野手(ソフトバンク)打率.429、5本塁打、10打点
3、角中勝也外野手(ロッテ)打率.427、2本塁打、17打点

 ハイレベルな争いが繰り広げられた首位打者争い。この年、マートン(当時阪神)を抜きシーズン安打の最多記録を打ち立てることになる秋山が、4割3分を超える高打率で首位打者に輝いた。トリプルスリー達成と同時に首位打者を獲得する柳田は、僅差の2位。柳田はMVPも獲得、チームは交流戦を制し、その勢いで日本一にまで輝く充実のシーズンとなった。

【2016年】
1、城所龍磨外野手(ソフトバンク)打率.415、5本塁打、12打点
2、森友哉捕手(西武)打率.382、1本塁打、5打点
3、アルフレド・デスパイネ外野手(ロッテ)打率.381、1本塁打、9打点
3、鈴木誠也外野手(広島)打率.381、4本塁打、13打点

 記憶に新しい昨年の交流戦。なんといっても話題をさらったのは、MVPにも輝いた城所だろう。「キドコロ◯◯中」のフレーズと合わせ、この活躍で一気に知名度がアップした。「神ってる」でこちらも話題になった鈴木と並んで、3位につけたデスパイネ選手はシーズンを通してもキャリアハイのシーズンとなった。

 毎年シーズンの中で、流れがガラリと変わる交流戦。現状では下位に位置する球団にも、十二分に浮上のチャンスがやってくる。「実力のパ」の各球団がどのような戦いを見せるかとともに、柳田のようなニューヒーローや昨年の城所のようにブレークする選手が現れるかにも注目が集まる。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文