<拳銃を撃つだけでなく、都市での自律的な移動や自動車の運転、特殊な道具の操作、応急手当などもできるという>

ロシアの技術系企業と軍事研究所が手を組み、人間のように銃を操るロボットを開発した。開発者たちは、このロボットを宇宙に送る計画だ。

FEDOR(フョードル、Final Experimental Demonstration Object Research:「最終実験実証物体研究」の略)と呼ばれるこの未来的な拳銃使いは、もともとはロシア企業アンドロイド・テクニクスと、政府機関のロシア発展的研究基金により、捜索や救助といった任務を念頭に開発された。ロシア政府の要請で実施されているプロジェクトで、ロシア初の「人型ロボット」をめざしている。

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「戦争用ではない」

ロシア発展的研究基金のアンドレイ・グリゴリエフ総裁は先週、ロシア国営のRIAノボースチ通信社に対し、「FEDORは、救出作戦のように危険の大きい分野で人間の代わりになるアンドロイドとして設計されている。その目的を達成するには、都市環境での自律的な活動や移動、自動車の運転、特殊な道具の操作、応急手当などのアクションを教える必要があった」と語った。


FEDORは、ロシアのドミトリー・ロゴジン副首相の称賛を浴びた。ロゴジンはツイートで、このロボットの「判断力と運動能力」を褒め称え、ロシアは「ターミネーターではなく、さまざまな分野で実用的な意義を持つ人工知能を開発している」と述べた。翌日には、FEDORが2丁の拳銃を両手に持ち、標的を撃つ様子を映した動画をシェアしている。

腕立て伏せも

FEDORの能力は、2丁の拳銃を撃つだけにとどまらない。高度なプログラミングにより、自動車の運転操縦などの複雑なタスクや、腕立て伏せなど、さまざまなフィットネスエクササイズもこなす。

ロシア政府は、このロボットを宇宙に送る計画を立てている。オーストラリア「ナイン・ニュース」の報道によれば、2021年にロシアの宇宙船「フェデラーツィヤ」の唯一の乗員として乗り込む予定だという。

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だが、まだ改良も必要だ。ロシア発展的研究基金は先週、ロシア教育科学省と共同でコンテストを開催すると発表した。同基金のグリゴリエフによれば、このコンテストの目的は、FEDOR用のハイテクソフトウェアを開発する能力を持つプログラマーを見つけること。ロシアの大学生、大学院生、研究者、大学教授、制作チームが参加できるこのコンテストは、5月からスタートし、2018年2月28日まで続く見込みだ。

(翻訳:ガリレオ)

トム・オコーナー