人口が多く、資源も豊富なアフリカが近年、大きな注目を集めている。日本もアフリカ重視の姿勢を見せているが、アフリカ進出という点では中国が日本に先行している状況にあり、中国は政治的にもアフリカ諸国と良好な関係を築いている。

 中国メディアの騰訊はこのほど、米メディアの報道を引用しつつ、日本がアフリカ進出を積極化していると伝え、警戒心を示す記事を掲載した。

 中国はこれまでアフリカ諸国に対して道路や鉄道などのインフラ投資を積極的に進める一方、その見返りとして資源を獲得してきた。中国の経済成長には中国国内で産出される資源だけでは到底足りないため、アフリカから石油を始めとする各種資源を輸入している。

 記事は、アフリカ経済は2007年から08年にかけて発生した世界金融危機の際にも経済は安定していたうえ、今後も大きな経済成長が見込める有望な市場であることを指摘。米メディアの報道を引用したうえで、日本政府はこうしたアフリカ市場に対し、学校や医療施設、さらには水道インフラといった人びとの生活を豊かにするためのインフラ整備を行ってきたことを紹介。

 さらに、安倍晋三首相が2016年8月に行われたアフリカ開発会議で、3兆円規模にのぼる投資を約束したと紹介し、日本がアフリカへの援助や投資を重視し始めた背後には「アフリカの潜在成長力がある」と指摘。アフリカの一部の国の経済成長率はすでに世界有数の高さであり、そのうえアフリカには「開発されるのを待っている豊富な資源と莫大な市場がある」と伝え、こうした理由こそ日本がアフリカへの投資を積極化している理由だと伝えた。

 みずほ総合研究所によれば、中国の対アフリカ直接投資は資源分野が最大だが、近年は製造業など非資源分野への投資も拡大している。投資の増加と共にアフリカにおける中国の影響力も拡大を続けており、中国としてはアフリカという有望市場を日本に渡すことなどできないと考えているはずで、今後はアフリカでも日中が競争することになりそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)