平日だけど、帰りにサクッと飲みたいな…。そんなときには渋谷で下車しよう。

乗り換えのターミナル駅なのに、渋谷には駅からすぐの場所に美味しい店が集まっている。平日だけどサクッと飲みたいときにはうってつけの街だ。



写真右より東京あげ、大根、ロールキャベツ
※時期などによって、メニューの変動あり。
昭和が薫るコの字カウンターおでん『なだ一』

渋谷


寒い日には、こんな店に足が向かってしまうもの。おでん屋『なだ一』のしっかり味が染みた絶品おでんで温まろう。

昭和の佇まいを今に残すのんべい横丁の中でも、3代続く老舗の一軒で、白醤油をベースにしたおでんが名物。じっくり煮込んだ大根や玉子、牛スジなどの定番ダネから、ロールキャベツやしゅうまい、しいたけ包みなどの変わりダネも豊富。



木曜限定コロッケ。ジャガイモとタマネギ、ひき肉で作る特大コロッケ。秘伝ソースが酒を誘う

木曜限定のメニューだというコロッケも絶品。こちらはビールとともに味わいたい。

おでんの出汁で焼酎を割った出汁割も味わい深く、こちらは二日酔いしないと常連客に評判。さくっと一杯、いい加減で酔えそうだ。




厚切り!ハムステーキ。塩豚を燻製にかけ外側のみロースト。それを店で再び焼いて提供
※時期などによって、メニューの変動あり。
のんべい横丁を代表するおしゃれビストロ『Bistro D’arbre渋谷本店』

渋谷


駅すぐののんべい横丁にある老舗ビストロ『ダルブル渋谷本店』。気取らずにビールから楽しめる雰囲気がうれしい。

カスレや田舎風パテ、チーズオムレツなど、フランスの家庭料理を中心にした気取らない料理は、ワインはもちろん、ビールや焼酎などさまざなお酒に合わせられる味付けに。現在の店舗は、60年以上前の長屋をリノベーションしたおしゃれ空間だ。

ゴクゴクと喉を鳴らしながらビールを呷り、ハムステーキにかぶりつき、1日の疲れを癒そうじゃないか。



ダルブルの名物!カスレ。白インゲン豆、牛肉、鴨肉などを煮込んだ逸品



日本で初めて ビストロ”を店名に掲げた店という噂もある、渋谷で40年以上の歴史を刻むビストロの先駆け。


美味しい和食を、ちょっとだけ食べたい、という方はこちら!



左から、春子椎茸焼売、春旬菜かご盛。鮮やかな見た目がうれしい。季節などによりメニューは異なる。写真は一例
素材がすべて新鮮な正統派和食『並木橋なかむら』

渋谷


渋谷の喧騒からちょっと離れた並木橋に位置するこちらの名店。店内は活気溢れるオープンキッチンが広がり、出てくる料理は正統派の和食。旬の魚や野菜を、素材が一番生きる方法で提供してくれるのが嬉しい。

お造り盛り合わせや新生姜しゃぶしゃぶなどが入ったコースメニューもおすすめだが、メンチカツやシューマイといった心安らぐつまみで、ビールでしみじみ楽しめる、そんな居心地のいい店である。




カウンターはナラの一枚板。料理も酒もおまかせで頼む常連多数
遅い時間のひとり酒は、桜丘路地裏の隠れ家へ『高太郎』

渋谷


渋谷駅から徒歩数分で、上質な酒と料理を味わえる、大人の店。そんなニーズに見事に応え、連日満員御礼なのが『高太郎』だ。池尻大橋の人気和食店『KAN』で10年研鑽を積んだ林高太郎さんが店を構えたのは、桜丘の路地裏。

「お客さまと話しながら料理を造りたかった。量も味付けも相手に合わせて調整できますから」という店内は、5mのカウンター席がメインステージとして横たわる。



ぶっかけうどん。香川県出身の林さんが手打ちに作る〆の定番

その料理はポテサラやメンチカツなど大衆好みの和み系あり、蓮根まんじゅうなんて懐石コースに出てきそうな本気系あり。高級店でお馴染みの料理を、気取らずに味わえるのが、いい。

酒のメインとなる日本酒にもこだわりがある。用意するのは、林さんが惚れ込んだ8つの蔵の酒。蔵元と長く付き合うことで新酒や夏酒など旬の希少な味を入手、客に提供できるというわけだ。

「食材は知人が作ったものを使うなど、どれもストーリーがある。酒も料理も幅広く揃えるのではなく、深めていきたいんです」

コアタイムは予約困難なこの店、狙い目は夜10時過ぎ。ぽつぽつと空き始めるカウンター席を、ひとり酒を飲む客が埋め始める。



酒肴3点盛り。おまかせで頼むと単品を少しずつ盛り合わせた酒肴が登場することも



燻玉ポテトサラダ。玉子を崩して豪快に混ぜ合わせると未知の味が誕生


次のページへ



人気のリゾットカレー。さっぱりと食べられるが、パルミジャーノのコクもしっかり。
『RISOTTO CURRY STANDARD』バルの本質と志を受け継ぐ、都心の人気店

渋谷


盛況を誇った『世田谷バル』の店主・高城直弥氏がネクスト・ステージとして渋谷で営む、この店の看板メニューは店名にもなったリゾットカレー。

文字通り、カレー×リゾットというわけで、そんなヘビーな一品を深夜に!? と訝る声も聞こえてきそうだが、心配ご無用。チキンのトマト煮がベースのカレーはバター不使用で飴色タマネギが味の要。リゾットに使う生クリームは控え目で、その分、牛乳はたっぷり。驚くほど、軽やかな仕上がりなのだ。

深夜の渋谷でも店内に笑顔が溢れる人気店だ。




地中海沿岸原産のミルトベリーを葉と一緒に漬けこんだ、ミントのような香りがする酒を使ったソースで。サルデーニャ名物!!馬肉ハラミのタリアータ ミルトのソース
※時期などによって、メニューの変動あり。
本土とは異なる独自の食文化とは?『タベルナアンドバール イタリアーノ タロス』

渋谷


店名は、サルデーニャ島の西部に位置し、地中海貿易の中心地として栄えた港街「タロス」より。“神様の左足”と伝えられるサルデーニャ島では魚介類をふんだんに使った料理や、羊飼いの島でもあるこの土地ならではの羊肉を使った料理が特徴的。

長い歴史の間に、スペインの支配が続いた影響か、イタリア本土とは異なる食文化が形成されたのだ。

象徴的な食材である、カラスミやペコリーノチーズ、フレーグラ(魚の卵という意味の粒状パスタ)、パーネカラザウ(セモリナ粉の薄焼きパン)は、サルデーニャ産。8つのエリアに分けて紹介されているワインもご堪能あれ。



サルデーニャ産 ぼら カラスミとセロリ、ペコリーノチーズのサラダ



内観