日本S第3戦で先発の広島・黒田、現役最終登板となるのか

 今季限りでの現役引退を表明した広島の黒田博樹投手が、25日の日本シリーズ第3戦(札幌ドーム)に先発する。日米通算533試合に登板し、3340回2/3を投げてきた右腕のラスト登板となる可能性もあるだけに、大きな注目が集まる。

 黒田は18日に引退を表明。このニュースはすぐに海を渡り、米国でも大きな話題となった。海外FA権を行使して2008年にドジャースに移籍した黒田は、メジャー7年間で通算212試合に登板し、79勝79敗、防御率3.45をマーク。ドジャース、そしてヤンキースと両チームで結果を残し、誠実な人柄もあって、ファンから愛された。

 3シーズン所属し、先発ローテーションの軸として通算620イニングを投げたヤンキースでは、公式サイトのトップニュースで黒田引退のニュースを伝えた。また、ESPNやNBCスポーツ、ヤンキースの試合を放映する地元テレビ局「YESネットワーク」(電子版)、地元紙「デイリーニュース」など主要メディアも速報。米国のファンも右腕の引退を嘆いている。

 ヤンキース公式サイトの記事には、ファンから以下のようなコメントが寄せられた。

「私が読んだ全ての記事の中で、とても粋な男で真のプロ。素敵なキャリアにおめでとう、彼と彼の家族のご多幸を」

「援護を一度として受けないイニングイーターだった」

「勝ち得た引退後を楽しんで、グッドラック。ニューヨークであなたは懐かしがられているよ」

「とても尊敬するキャリアにおめでとう。無援護がなければより良いものだったろうに」

「ご武運を!」

「大好き! 5日ごとに110%を彼に捧げていた。決まって無援護で立往生していた」

「クロダはWBCトーナメントでタナカとともに日本を代表すべき」

「クロダはオトコ(DA MAN)だ!!!」

古巣ドジャースファンからも惜別の声「彼と家族はとても愛されていた」

 また、「元ヤンキーの黒田が日本シリーズで引退する」とのタイトルで伝えたESPNの記事では、ヤンキースファンに加えて、ドジャースファンからも惜別の声が相次いだ。

「1990年代中盤以降で私が知る限り最悪の援護をクロダは受けていた」

「クロダ、グッドラック。ヤンキースが彼にもっとよく出来ていたらよかったのに」「同意。クロダはいつも1-0か何かで負けていた!! 彼はヤンクスにとっていい先発だった!」

「(彼は)元ドジャーでもあったよ! 数シーズンしかいなかったけど、彼はLAにいる間、応援を楽しめる質の高いピッチャーだったし、ニューヨークに行ってからも良い投球をしている姿を見られて幸せだった。引退おめでとう、ヒロキ!」

「クロダは素晴らしいピッチャーだった。ほとんどの年で30試合以上、200イニングを投げた。防御率は3点台前半だった。5日に1回ボールを手に取り、中身のあるクオリティー・スタートをしてくれた。いい人生を!」

「彼と家族はドジャーとしてとても愛されていた」

 黒田に対する援護の少なさは日本でも報じられることが多かったが、米国のファンも全く同じ印象を抱いていたようだ。そして、その中で我慢強く投げ続ける姿が、多くの人の心を掴んでいたことは間違いない。

 日米のファンに惜しまれながらユニホームを脱ぐ黒田は日本シリーズで最後の勇姿を見せる。