9月29日に発表されたロシア・ワールドカップ最終予選(10月6日のイラク戦、11日のオーストラリア戦)に向けた26人の日本代表メンバーは、ほぼ「無風」だった。
 
 とりわけ欧州組は所属クラブで出場機会を失っている選手が少なくなく、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督には
「面白みのないリスト」
「保守的すぎる」
「クラブで出番のない選手をなぜ代表に呼ぶのか?」
などのバッシングが各メディアから浴びせられている。
 
【日本代表PHOTO】イラク戦、豪州戦に向けたメンバー26人
 
 同じような感情を抱いているサッカーファンは少なくないだろう。そこで今回、『サッカーダイジェストWEB』では、メンバー発表直後に『サッカーダイジェスト』と『ワールドサッカーダイジェスト』のツイッターアカウントで、「W杯予選の日本代表に呼んでほしかったFWは?」、「W杯予選の日本代表に呼んでほしかったMFは?」というアンケートを実施(GKとDFは今回は見送り)。その集計結果をまとめた。
 
[アンケート概要]
実施期間:9月29〜30日の24時間
投票数:6,008票(MFが3,002票、FWが3,006票)
内容:選択肢はMFとFWでそれぞれ、『サッカーダイジェストWEB』セレクトの3選手と「その他」の4項目(ツイッターのアンケート機能は4項目が上限のため)。ユーザーに1つを選択してもらった。
※すでに投票は終了しています。ご協力ありがとうございました。
 
【FW部門】
1位:1491票(50%)
大迫勇也(ケルン)
 
2位:827票(27%)
齋藤学(横浜)
 
3位:383票(13%)
その他
 
4位:305票(10%)
金崎夢生(鹿島)
 
 FWの招集メンバーは、本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(レスター)、原口元気(ヘルタ・ベルリン)、宇佐美貴史(アウクスブルク)、武藤嘉紀(マインツ)、浅野拓磨(シュツットガルト)、小林悠(川崎)という前回とまったく同じ顔触れ。本田、岡崎、宇佐美がそれぞれの所属クラブでバックアッパーに甘んじるだけに、もっとも議論の余地があるセクションだ。
 
 そんな中、実に50%に当たる1491票と圧倒的な支持を集めたのが、大迫勇也だ。ここ最近のケルンでは昨シーズンまでのようにサイドやトップ下ではなく2トップの一角に固定され、攻撃の起点として機能しながらここ2試合連続で難易度の高いスーパーゴールを決めるなどまさに充実一途。2015年6月以来となる招集に期待が掛かった。
 
 しかし、ハリルホジッチ監督いわく「15日前に所属クラブに連絡しなければならない。大迫がゴールを決めたのはそのあとだった」という理由で選外。残念に思うファンはやはり多い。
 
 827票で2位に入った齋藤学は、横浜で縦にも中にも切り裂ける得意の単独突破で幾度となく大きな違いを作り出している。試合勘とコンディションに不安がある本田や宇佐美が呼ばれ、今や「Jリーグ最強」とも謳われるこのドリブラーが選外となっているのが、腑に落ちないサポーターは多いようだ。
 
 383票を集めた「その他」は、あくまでも予測ながら、ハーフナー・マイク(ADO)、乾貴士(エイバル)、南野拓実(ザルツブルク)、興梠慎三(浦和)、永井謙介(名古屋)、大久保嘉人(川崎)、久保裕也(ヤングボーイズ)、伊東純也(柏)、長沢駿(G大阪)などに対する票だったか。
 
 4位の305票だったのは金崎夢生。昨年11月の代表復帰後は岡崎とCFの定位置争いを繰り広げていたが、9月シリーズはJリーグの湘南戦で途中交代を命じられた際に石井正忠監督に悪態をついた行為で“懲罰落選”。今回も引き続き選外となった理由について、ハリルホジッチ監督はとくに言及していない。
【MF部門】
1位:984票(33%)
中村憲剛(川崎)
 
2位:856票(29%)
柴崎岳(鹿島)
 
3位:766票(25%)
中島翔哉(FC東京)
 
4位:403票(13%)
その他
 
 MFはここ最近の所属クラブで出番を失っている香川真司(ドルトムント)、長谷部誠(フランクフルト)、清武弘嗣(セビージャ)が呼ばれ、さらにその他も山口蛍(C大阪)、柏木陽介(浦和)、大島僚太(川崎)と前回同様のメンバーが入る一方、新顔は初招集の永木亮太(鹿島)だけだった。
 
 そんな中でファンから最も待望論が強かったのが、984票を集めた中村憲剛だ。今季も川崎を力強く牽引するベテランは、攻撃に「縦の速さ」を求めるハリルホジッチ監督のスタイルに適した一撃必殺の「縦のスルーパス」を備えるうえ、ボランチとトップ下で遜色なく機能する。年齢(10月31日に36歳)を差し引いても、戦力的な価値は高い。
 
 856票で2位だったのが柴崎岳。言うまでもなく元々は遠藤保仁の後継者として期待される司令塔タイプのボランチながら、最近の鹿島では右の攻撃的MFとして躍動する。よりゴールに直結するプレーを増やしており、「代表でチャンスを与えて然るべき」との声は少なくない。
 
 3位は766票だった中島翔哉。リオ五輪の背番号10は、最近のFC東京で多少強引でも小細工なしにシュートを狙う良い意味での強引さを、好結果に繋げている。細かいコンビネーションにこだわり過ぎる傾向が否めない現代表に新風を吹き込みうる。今回はMFでカウントしたが、仮にA代表に呼ばれていれば左ウイングが主戦場になるか。
 
 403票の「その他」は、細貝萌(シュツットガルト)、小林祐希(へーレンフェーン)、井手口陽介(G大阪)、今野康幸(G大阪)、遠藤航(浦和)、青山敏弘(広島)などに対する回答だった可能性が高そうだ。