街の穴場グルメを知るには、その街で働く人に尋ねるべし! 人気連載「東京社員グルメ」の第3弾は、名店揃いのグルメタウン恵比寿からお届けする。

料理好きなら誰でも一度はお世話になっている、あの料理サイト『クックパッド』社員・藤本真紀子さんがナビゲート役。普段から美味しいものを食べ歩いている人にこそ教えたい、名店中の名店5軒をご紹介したい。



濃厚で深みのある味わいに、つい日本酒に手が伸びる「まました特製ポテトサラダ」は、リピーターの多い1品
まさに隠れ家! 食通の知人を連れて行きたい”鉄板”は『恵比寿 まました』

『クックパッド』内で料理教室サービスを担当する藤本さん。会社があるのは恵比寿ガーデンプレイスタワー、自宅も徒歩10分圏内とあって、恵比寿の飲食事情はおまかせ。こちらが“マスター”と呼びたくなるほどの精通ぶりだ。

「恵比寿のいいところは、レストランのバラエティーが豊富なこと。どんなジャンルでも名店があるんです」。そんな中でも、超が付くほど穴場感のある店がこちらの『まました』だ。



これだけ付いて1,000円ぽっきりのランチメニュー「ばくだん納豆」も、藤本さんの定番。夜は単品で注文可能だ

アメリカ橋から目黒方面へ歩くこと数分、細い路地の奥にひっそり佇む店ゆえ、道に迷う人も続出とか。そんな場所にありながら、満席御礼の日も多い知る人ぞ知る存在。

「ランチは特に混雑するので、正午前に会社を出て早めに到着しないと。今日のランチは『まました』と決めたら、午前中の仕事を相当頑張るんです(笑)」。

『クックパッド』社内にはなんともうらやましい“まかない制度”があり、常備された食材や広々としたキッチンを自由に使えるのだとか。それゆえ、たとえ食への関心が低い人でも、入社後はみなグルメに変身していくそうだ。

「もちろん、元々美味しいお店に詳しい人も多いんです。『まました』は味も雰囲気も、接客も素晴らしいので、食に詳しい人と来ても『穴場だね!』と気に入ってもらえますね」。



「お造りの盛り合わせ」は5種で3,000円前後。それぞれ、ぷりぷり、こりこり、とろりとした食感が際立つのは、新鮮さの証
定番は、唯一無二のポテサラや旬のお造り。ひとり使いにも最適!

「ここは何を食べても美味しい」と話す藤本さんが「夜来たら絶対に注文します!」というお気に入りが「まました特製ポテトサラダ」626円。マヨネーズや卵を使わずに練りごまや味噌で仕上げた、ほかにはないユニークなポテサラだ。

「お造りの盛り合わせも毎回頼みます。お魚が新鮮で、とても美味しいんですよ。レギュラーメニューのほかに本日のおすすめもたくさんあって、ポテサラ以外はそこから選ぶことがほとんどです」。



ひっそりとした入口に反し、店内は広々と開放的。手際よく料理が仕上げられていくのを、カウンターから眺めるのもまたよし

『まました』には同僚と連れ立って来ることが多いという藤本さん。だが、ときにふらりとひとりで訪問することも。

「仕事が夜遅くまでかかったときや、大きな会議が終わったあとは、そのまま帰らず1杯飲みたい気分に。そんなときはここのカウンターに座って、ご主人と話しながら軽く食事を楽しむんです」。

平日のラストオーダーは24時、さらにほとんどのメニューがハーフサイズでの注文が可能ゆえ、深夜にひとりで訪れる人も多いのだとか。

臨場感あふれるカウンター、ゆっくり仲間と語らえるテーブル席のほか、2階にはがらりと雰囲気の違うラグジュアリーな個室もあり、どんなシーンでも使えることもまた人気の理由だ。


豆腐を胡麻油で焼き上げた「羽付き豆腐」はやみつき必至!



イクラや中落ちが乗る贅沢な「ばくだん納豆」。添えられた昆布は店で炊き上げ、ツナもまぐろの尾に近い部分で手作りする。ぬか漬けも自家製
美味しくて身体にいい。だからまた食べたくなる、優しい料理

藤本さんのランチの定番は「ばくだん」。納豆や長芋、オクラ、中落ち、イクラなどをたっぷりと乗せたご飯に、焼き魚かお刺身、サラダ、小鉢がついて税込1,000円という破格メニューだ。

「やっぱり色々なものが食べられるのはうれしいですし、美味しいだけではなく、栄養的にもバランスがいい。普段から健康的な食事を意識しているので、このメニューは文句なしです!」。



間々下さんいちおしの「羽付き豆腐」918円。埼玉「もぎ豆腐店」の豆腐を「岩井の胡麻油」で焼き上げ、シンプルながらやみつき必至の美味しさに!

『まました』では、ランチに添えられる昆布やツナに至るまで、すべて手作り。店主・間々下友洋さんのポリシーだ。老舗うどんすき店やカウンター割烹で和食の経験を積み、2014年に独立した間々下さん。

「年齢や体質のため、食べたいものを食べられない人が増えている。そんな人にも美味しいものを」と、栄養士である妻と一緒に、健康にも配慮したメニューを生み出している。

「かといってストイックになりたくなくて。肉料理ももちろんあります。僕自身お酒が好きですし、楽しく食べて飲んでいただければ」と間々下さん。食材はもちろん調味料までこだわりながら、それを押し付けない居心地のよさこそ、『まました』の個性。

話を聞いていた藤本さんも「今日来てみて、改めていいお店だと実感しました。これからもよろしくお願いします!」と笑顔に。




マルゲリータ ドッピァ¥2,160。ナポリの本店同様、ピザは「マルゲリータ」と「マリナーラ」の2種のみを扱う
恵比寿東口の重鎮!ナポリピッツァの名店『ダ ミケーレ』

本場イタリア・ナポリで145年もの間愛される『アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ』の2号店。名物はいうまでもなく、ナポリから直送される食材で職人が焼き上げるピザだ。

「会社のランチ会でよく行きます。私が店選びを担当することも多いのですが、だいたいここにしておけば失敗なし、という存在のお店ですね」。

藤本さんが注文するのは「マルゲリータ」一択!「いつもだいたい10名以上で予約しています。ピザ1枚が大きいので、大人数で行くのがおすすめ。本格的な窯焼きピザが、毎回楽しみで仕方ないんです」。




“ザ・昭和”なコの字型カウンターが鎮座。平日は朝8時から翌朝5時まで営業するのもうれしい1軒だ。3,000円あれば十分満足できる
飲んで食べてストレス解消! 庶民派焼きとりなら『たつや 駅前店』

「恵比寿の街って生活が完結するんですよ。映画館もあればデパートもあって、オシャレしていくようなレストランも、ちょっと庶民派な下町風居酒屋も豊富で。ほかの街に出掛ける必要がないんです」と話す藤本さん。

「今日は飲もう!」という気分になったときに向かうのは、気兼ねなく楽しめるこんな大衆焼きとり店だ。

「行くときは、だいたい仲のいい同僚が一緒。美味しいおつまみとお酒片手に、会社のあれこれを吐き出してスッキリすることが多いかも(笑)。そういう時間があるからこそ、仕事も頑張れるものですよね」。


ガッツリ気合いを入れたいときは、恵比寿・広尾限定の名物バーガー!



都内に3店舗を構える『バーガーマニア』。写真は、広尾と恵比寿限定の名物「チェリーバーガー」1,290円。甘酸っぱさが癖になる
気合いを入れたいときは『バーガーマニア恵比寿店』で肉補給!

「普段あまりファストフードを食べないのですが、きちんと作られた美味しいハンバーガーは別。ときどき食べたくなると、同僚を誘って『バーガーマニア』へ。栄養バランスを考えて、いつもアボカドの入ったハンバーガーを頼みます」という藤本さん。

身体が肉々しいハンバーガーを欲するのは、だいたい「気合いを入れたいとき!」と即答。大きな仕事の前や疲れ気味の際は、グルメバーガーでパワーチャージするのが藤本流なのだ。

「自宅でパン作りをするほどパン好きなので、バンズが美味しいのもポイントです」。




台湾に本店を持ち、点心の名店として世界的な知名度を誇る『鼎泰豐』。名物の「小籠包」は4個605円。あふれ出すスープは至福の味わい
中国赴任時代の思い出の味をしみじみ噛み締める『鼎泰豐アトレ恵比寿店』

前職時代、上海に赴任していたという藤本さん。

「当時のオフィスの真上にちょうど『鼎泰豐』があって、よく食べに行きました。ここが恵比寿にオープンしてからは、懐かしい味を思い出しに、ときどき通っています。今度は行きつけの美容院が同じフロアにあるんですよ」。

いつも注文するのは、中国時代と変わらず「小籠包」と「空芯菜炒め」。

「恵比寿まで遊びに来てくれる友人と行くことも多いです。せっかくわざわざ来てくれるので、がっかりさせたくない。ここは間違いなく美味しいので、安心して連れて行けるんです」。



■今回ご協力いただいた『クックパッド』『クックパッド料理教室』
検索数日本No.1を誇る料理レシピのコミュニティウェブサイト『クックパッド』。1998年にサービスを開始し、現在では240万を超えるレシピを掲載している。
藤本さんが所属する『クックパッド料理教室』では、個人や飲食店の料理教室をサポートするサービス等を展開中。
入会金やコース料金の設定がなく、レッスン毎に支払いを行えるシステムが好評だ。
https://cookstep.cookpad.com/