2つ目は長谷部・柏木を軸とする中盤が機能するか否かだ。UAE戦では柏木のアクシデントから初キャップの大島僚太(川崎フロンターレ)が先発。岡崎らは「僚太は決して悪くなかった」と新世代のレジスタの役割りを評価していたが、結果だけを見れば2失点に絡んでしまった。経験豊富な柏木であれば、彼のように直接的に勝敗を左右するようなミスはしないだろう。加えて中盤にリズムの変化をもたらし、サイドを広く使うこともできる。こういうパスセンスを持った選手は今の日本代表には彼しかない。その彼と長谷部のコンビでどれだけチームに落ち着きを与えられるかが気になるところだ。

 3つ目はリスタートからの攻撃だ。前述の通り、高さで上回る日本はFK、CKを最大限有効活用する必要がある。得点源の吉田も「セットプレーの練習はほとんど時間がなかったですけど、どこに来れば点を取れるというポイントは分かっているつもり。あとは出し手と受け手のタイミングかなと思います」と6月のブルガリア戦(豊田)以来のゴールに意欲をのぞかせた。

 こうしたポイントが全てうまく行けば、日本が白星を挙げられないはずはない。タイ戦では「自力では確実に相手を上回っている」という確固たる自信と持って、冷静かつ大胆に試合を運んでもらいたい。

文=元川悦子