中国メディアのPCbabyはこのほど、日本製の紙おむつは乳幼児を抱える中国人の母親たちを「飼い慣らした」と主張し、中国産の紙おむつが日本製の紙おむつに追い付くにはどうしたら良いかという点について論じている。

 記事は「ここ数年、日本製の紙おむつは中国国内で大変歓迎されている」と紹介し、おむつを販売する日本メーカーは中国市場において急速に成長したと説明。さらに「日本メーカーの中国市場における成長は日本製だからという理由だけでなく、製品が持つ極めて強力な差別化と競争力もかなり大きく関係している」と指摘、その品質の高さを絶賛した。

 続いて「中国の紙おむつメーカーと日本メーカーにはどれだけのレベルの差があるだろうか」と問題を提起。ある日本の紙おむつメーカーの場合、100人以上の研究開発スタッフ1人1人が手作りで紙おむつのアイデアを形にして実験していると説明、「中国のどの企業がこれほど多くの人を投入するだろうか」と疑問を投げかけた。
 
 記事はこうした日本企業の体制について「匠の精神」であるとしたうえで「非常に敬服に値する」と絶賛する一方、「中国企業が資源投入を惜しまず、消費者の需要をより深く理解すれば、いつか日本企業と争えるようになるはずだ」と主張した。

 記事が強調している点の1つは、良い製品を生み出すためには投資を惜しんではならないという原則だ。「100人以上の研究開発スタッフ」の事例がこの要点を見事に強調している。経営という観点から見れば、研究開発スタッフに対する人件費は膨大かもしれないが、良い製品を生み出すためには絶対に必要なことであり、それが企業の競争力へとつながるものだ。

 さらに記事が日本企業の匠の精神を「非常に敬服に値する」と絶賛している点にも注目すべきだ。もし紙おむつで儲けることだけが企業の動機であるなら、成功するかどうかもわからない研究開発に惜しまず投資するというのは至難の業だ。しかし匠の精神に含まれる主要な動機は、良い製品を消費者に提供したいというものであり、また仕事そのものに対する敬意も含まれる。記事はこの点における日本企業と中国企業の決定的な違いをはっきり理解しているのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)