10日、日本代表のMF香川真司(ドルトムント)が仙台PIT(宮城県仙台市)で開催された東日本大震災の復興支援イベント『“わたしの夢”応援プロジェクト』にサプライズ登場した。

 エンターテインメントを通じて、東日本大震災の復興支援活動を続ける「一般社団法人チームスマイル」は、東京と東北3県に新たなホール「PIT」(ピット=Power Into Tohoku!の略称)を開設。今回は、仙台PITに香川の専属トレーナー・谷田亮太氏を招き、小学生を対象にストレッチ教室が行われた。また、いわきPIT(福島県いわき市)と釜石PIT(岩手県釜石市)にも地元の子どもたちが集まり、仙台PITと合わせ3つのPITを同時中継で結んだ。子どもたちは、普段から香川が実戦しているストレッチを体験した。

 谷田氏の指導の下、4種類のストレッチを行った子どもたち。突然の香川登場には、会場が大きくどよめいた。

 香川にとって「第二の故郷」である仙台には思い入れがある。「僕は仙台でサッカー選手になれるきっかけやチャンスを作ることができました。本当に仙台のみなさん、東北のみなさんは僕にとって特別な存在。神戸から何も分からないまま来たけど、たくさんの人に支えられて、自分はプロになることができた」。そう言って、中学から高校2年生までを過ごした日々を懐かしんだ。

 質疑応答のコーナーでは、「年俸はいくらですか?」とストレートな質問に香川もタジタジ。「何でも答える」と宣言していた香川だったが、「そうか……メディアの人がいなかったら言ってあげても良かったんやけど。気になる? 今度、個人的に教えるよ」とこればかりは明言を避けた。「ボールコントロールがうまくなるためには、どうしたらいいですか?」と聞かれると、「継続することが向上につながる。毎日、ボールと触れ合ってトレーニングすることが一番の近道」と丁寧に回答。「まずは来たボールをしっかりと止めて、蹴ることが基本になる」とアドバイスを送った。

 さらに、「質問ではないんですけど……」と緊張した面持ちで手を挙げた小学生に、「サイン入りのユニフォームをください!」と懇願されると、「勇気ある行動をしたからあげるよ」とその場でサイン。違う会場だったため、スタッフから届けられることとなった。

 先日、女優の平愛梨さんと交際宣言をした日本代表DF長友佑都(インテル)が発した『アモーレ(イタリア語で「愛する人」の意』というフレーズが話題を集めたが、司会者から「香川選手のアモーレは?」と質問される場面も。香川は「僕のアモーレはまだいないので、ぜひ募集したいですね」と笑顔で答えた。

 最後は仙台PITに集まった約150人の子どもたちと記念撮影。「僕も小さい時からサッカー選手、そして日本代表になるという夢がありました。その夢を持ち続けて、Jリーガーになるために仙台にやってきました。みんなもこれからある未来に向かって、夢や希望を抱いて、チャレンジすることを忘れないでほしい」とメッセージを送った。