散歩などをしていてちょっと喉が渇いたときに、公園にある水道で口を潤すことができる、というのは実はものすごく有り難く、幸せなことなのかもしれない。少なくとも、日本を訪れた中国の人からはそのように思われているようである。われわれにとっての「当たり前」が、彼らにとっては当たり前ではない。もちろん、その逆も然りだ。

 中国メディア・騰訊が18日に掲載した「真実の日本を明らかに」と題する文章では、日本の社会においては当然ながら、中国人にとっては目新しく、あるいは奇妙に感じる事柄が60点紹介されている。そのなかには、市民が日常生活を送るうえで重要となる社会インフラに関連した内容も多く含まれていた。

 まずは「喉が渇いた時、どこの水道の蛇口でも水を飲むことができる」。水質の問題でそれができない中国では水筒を持参したり、ペットボトルの水が比較的早い時期から普及していた訳だが、何も持たなくても普通に蛇口から水が飲めることに対する驚きは大きいようである。また「何も持たなくても」という点では「トイレットペーパーを持参して外出しなくても、どこにでもペーパーが備え付けてある」という点に対する指摘もあった。

 さらに「ベビーカーを押すのに、エレベーターやスロープがないことを心配しない」、「すべての電話ボックス、自動販売機が正常に使える」という説明も。日本でもまだまだ階段しかない駅の出口などが数多く存在するものの、ひと昔前に比べればバリアフリー化は格段に進んでいる。電話ボックスや自動販売機に関する言及は、中国国内では使えないものが多いということの裏返しか。作る時はあっという間に作るが、その先のメンテナンスが苦手、という中国社会を象徴する指摘かもしれない。

 このほか「天気予報をすごく信用しており、2時前まで雨という予報であれば、3時の外出に傘を持って行かない」、「時刻表に基づいてバスや電車を待つのに慣れている」、「街が清潔で整っているのは実に当たり前なことだと思っている」といった点も言及されている。天気予報については若干オーバーな気がするが、時刻表については多少のダイヤ乱れでフラストレーションが溜まることを考えれば、まさにその通りといったところではないだろうか。初めて訪れた中国の地下鉄やバスに時刻表がないことに、いささか驚きと不安を感じた日本人も多いことだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)