J1リーグは5月4日、ACL組の対戦(FC東京対広島、G大阪対浦和)を除く第1ステージ10節の7試合を行なった。
 
 初タイトルを狙う川崎は暫定で首位に立つチャンスだったが、ホームで仙台と引き分けて2位のまま。3〜5位は鹿島、柏、大宮がそれぞれ勝点3を挙げ、上位との勝点差を詰めた。一方で下位では、湘南が連勝で16位に浮上。福岡が大宮に敗れて最下位に転落している。
 
 ここでは、10節の7試合から、サッカーダイジェストWeb編集部がセレクトしたベストイレブンを紹介する。
 
【選出理由】
 連勝で最下位を脱出した湘南からは、決勝点の大槻とCBアンドレ・バイア、GK村山の3人を選出。大槻は途中出場で試合を決めた勝負強さを、アンドレ・バイアは巧みなラインコントロールと局面でのタイトな守備を評価した。好セーブを連発した村山は、PKを止めた前節に続くベストイレブン入りだ。
 
 横浜を下した名古屋で活躍が目立ったのが、和泉とイ・スンヒだろう。前者はルーキーながら堂々としたプレーぶりで攻撃陣を引っ張り、こぼれ球に詰めて決勝点をマーク。後者は中盤のフィルター役として抜群に機能した。ベストイレブンには選出しなかったものの、名古屋のGK武田が獅子奮迅の活躍で勝利に貢献したことも付け加えておきたい。
 
 4-1快勝の神戸では、2ゴールのレアンドロと、逆転弾をアシストするなど攻守に存在感を示した岩波が出色の出来。2節ぶりに勝点3を得た鹿島では、ビルドアップに貢献し、決勝点も決めた西をエントリーした。また、川崎の攻撃を寸断しつつ、思い切った飛び出しで先制点をマークした仙台の富田も、ベストイレブンに相応しい活躍を見せた。
 
 今節のMVPとしたのが、今季初の1試合2得点で柏を勝利に導いたディエゴ・オリヴェイラだ。とりわけ、素晴らしかったのが、伊東のパスをねじ込んだ2点目。角度のないところから巧みにシュートコースを探り当てる、ストライカーの“本能”を見せつけた。また、その柏では、クリスティアーノを見事に押さえ込んだDF鎌田の堅守も際立っていた。
【今節のベストイレブン】
GK
1 村山智彦(湘南) 7
安定したキックと守備で勝利に貢献。76分には決定的な谷口のヘディングシュートを防ぎ、流れを鳥栖に渡さなかった。
 
DF
22 西 大伍(鹿島) 6.5
決勝点はクロスをダイレクトで合わせ、コースも完璧だった。左SBでのプレーにも慣れてきたようだ。
 
4 アンドレ・バイア(湘南) 6.5
相手の攻撃陣にほとんど自由を与えず。ハイボール対応は、ほぼノーミス。裏のスペースもしっかりとケアし続けた。
 
5 岩波拓也(神戸) 6.5
得意のビルドアップ能力を発揮。レアンドロへの正確なフィードで磐田DFを苦しめた。ロングスローをヘッドですらして逆転ゴールもアシストし、攻守で存在感。
 
2 鎌田次郎(柏) 7
常にクリスティアーノを視界のなかに捉え、自由とスペースを与えず。FKによるシュート1本だけに抑え込む。
 
MF
15 イ・スンヒ 6.5
中盤の底を広範囲にフォローし、守備のフィルター役として別格のプレー。相棒の田口との動き分けも明確に、チームの攻守をつなぎ続けた。
 
17 富田晋伍(仙台) 6.5
時に最終ラインに落ちて守備を固める一方、チャンスと見るや一気に前線に飛び込んだ。頭で決めた先制点が試合を動かす。
 
29 和泉竜司(名古屋) 7(90分OUT)
待望のプロ初得点が決勝点となる勝負強さ。しっかりとこぼれ球に詰めるしたたかさを見せた。トップ下としてのプレーも実に快活。
 
19 大槻周平(湘南) 7(67分IN)
耐えていた守備陣に報いる決勝ゴールでチームを勝利に導く。前線からの積極的なプレッシングも光っていた。
 
FW
11 ディエゴ・オリヴェイラ(柏) 7
リーグ戦初の1試合2ゴール。特に「そこしかない」軌道に、正確なキックで乗せた2点目は、アシストした伊東も「まさか、あれを決めるとは」と驚嘆。
 
11 レアンドロ(神戸) 7
身体を張ったポストプレーで攻撃をけん引。相手のイヤなスペースへ走り込み続け、同点弾、そして逆転ゴールも決めた。