ダイヤモンド・ザイ誌上で3カ月に1度掲載しているのが上場全銘柄の理論株価だ。割安度が一発でわかると評判だが、15年12月21日発売のダイヤモンド・ザイ16年2月号には、3月決算企業の中間決算を反映した全上場3596銘柄の最新理論株価とともに日経平均の理論株価も掲載されている。前回(9月3日時点)では、理論株価と比較して日経平均は4%割安だったが、今回は割高に転換した。その理由と、そうした環境下において割高から割安に転換した注目銘柄を紹介しよう。

ファナックなどの割高度がアップ
割安から割高へ転換した株は要注意

 株は割安な時に買って値上がりしたら売るのが基本。ただ、その割安の判断が難しい。そこで役に立つのが理論株価だ。現在の株価が理論株価より安ければ割安、現在の株価が理論株価より高ければ割高で、非常にカンタンに割安な株を発見する目安となる。

 さらに、ダイヤモンド・ザイでは個別銘柄だけでなく、日経平均の理論株価も算出。今回の日経平均の理論株価は1万8779円だ。

 では、個別銘柄を見ていこう。まずは、ファナック(6954)とファーストリテイリング(9983)。日経平均の算出に大きく影響を与える2銘柄だが、ファナックは前回の85%割高から110%割高へ、ファーストリテイリングも100%割高から128%割高となった。

 このほか、昭和シェル石油(5002)、SUMCO(3436)、パイオニア(6773)などの銘柄は割安から割高への転換となった。

 一方で、2銘柄と同様に日経平均に大きく影響を与えるソフトバンクグループ(9984)は前回の22%割安から29%割安へと変化した。

 そして、日経平均採用銘柄で前回の割高から今回割安に転換したのは、古河機械金属(5715)、アルプス電気(6770)、東京ガス(9531)の3銘柄。

 2万円目前だった日経平均株価は下落の一途をたどり、12月15日時点では1万8565円となっており、ほぼ理論株価と同等の水準までになってきている。

ビッグカメラや日本調剤などの銘柄が
割高から割安に転換してチャンスに!

 日経平均採用銘柄で割高から割安に転換したのは3銘柄だけだが、市場全体を見渡せば、割高から割安に転換した銘柄は52銘柄と結構ある(ダイヤモンド・ザイ2月号に掲載中)。

 一例を挙げれば、婦人服アパレルのラピーヌ(8143)は207%割高から72%の割安になったし、外食向け情報サービスを展開しているアルファクス・フード・システム(3814)は174%割高から23%割安に。有名どころでは、ワタミ(7522)が152%割高から46%割安に転換した。

 このほか、日本調剤(3341)も8%割高から31%割安へ、ビッグカメラ(3048)が11%割高から9%割安へ転換している。こうした銘柄が狙い目だろう。

 最後になったが、理論株価の算出方法を紹介しよう。理論株価はその株の成長価値(予想1株益に将来の想定成長率を掛けて算出)と利益価値(予想1株益に将来利益の織り込み年数を掛けて算出)、そして資産価値(直近の1株純資産)を合計したもの。つまり、業績と財務のデータから算出している。

 ところで、今発売中のダイヤモンド・ザイ2月号(表紙は堀北真希さん)には、「買っていい×買ってはいけない!人気株500の売り・買い診断」が載っている。今回紹介した理論株価のほか、オススメの高配当株や株主優待株、そして10万円株などが満載だ。さらに、今絶対買ってはいけない株も一目瞭然。2016年の株投資とともに、保有株の現状チェックにもぜひダイヤモンド・ザイ2月号を役立てて欲しい。ザイ2月号には、「いつ買う?いつ売る?郵政3社で長期でも短期でも損しない方法」「プロ71人が集結!株全予測&儲け方」「16年の拡大NISA&ジュニアNISAの負けない使い方」も載っている。