日本でソニーがプレイステーション・アワードを実施した12月3日、米国では全プラットフォームが対象となる世界最大級のゲーム賞イベント The Game Awards が催されました。

コナミの『メタルギアソリッドV ファントム・ペイン』 (MGSV) は4部門にノミネートされ、ベストアクション賞とベスト音楽賞を受賞しましたが、シリーズを産んだ小島監督こと小島秀夫氏はやはり姿を表しませんでした。


世界的なゲームデザイナーとして米国でも熱狂的歓待を受ける小島秀夫氏ですが、The Game Awardsでの表彰は代理として登壇した米国版でのスネーク役俳優、キーファー・サザーランドが受ける事態となりました。

The Game Awards の主催兼司会であり、小島氏の個人的な知人でもある Geoff Keighley 氏が観衆の前でわざわざ「ヒデオ・コジマの不在について」と明らかにしたのは、小島氏自身はThe Game Awards への出席を望んでいたものの、コナミの弁護士から、授賞式への出席は認められないと通告を受け断念したこと。

半日ほど前に東京で開催されたプレイステーション・アワードでも、PS関連イベントでは常連だった小島氏は姿を見せず、また言及もなく、賞は広報宣伝本部長の米田氏が受け取っていました。The Game Awardsが映画でいうアカデミー賞に近いコンテンツ評価であるのに対して、PlayStation AwardはソニーがPSプラットフォーム上での売上本数でパブリッシャーに与える賞であるという違いこそありますが、PS Awardでも表彰には原則としてデベロッパーもしくはパブリッシャーの制作部門が登壇します。


The Game Awards 司会のKeighley氏は不在の理由について明かしたのち、小島氏のようなアーティストが、MGSVのような素晴らしい作品を作ったチームメイトや他の開発者とともに賞を祝うことを禁じるなどとても信じられないとしたうえで、「ヒデオはいま東京で、この表彰式を見ているはずだ。ヒデオ、この場にいるわれわれは皆きみのことを考えているし、君が居ないことをとても寂しく思う」と続けています。小島監督が中継を見ていると聞いた観客の反応は動画でごらんください。

コナミと小島監督のあいだの契約がどのようなものかは部外者には分かりません。しかしスタジオの解散や制作からの撤退は経営上の判断であるとしても、半生を費やした人気シリーズの完結編が権威ある賞を受ける場に立ち会うことも許さないのはなんとも残念な話です。

コナミいわく、小島氏は現在「休暇中」。Keighley氏が語ったように、ぜひ来年以降には新作で堂々と授賞式に現れて欲しいものです。