「楽しいんで」と語る表情には、今季の充実ぶりがうかがえた。MF遠藤航はU−22日本代表でキャプテンとして、所属する湘南ベルマーレではレギュラーとしてピッチに立ち続け、今年8月にはついにA代表デビューを飾った。

 24日、来年のリオデジャネイロ・オリンピック出場を目指すU−22日本代表候補がトレーニングキャンプ2日目を実施。22日のリーグ戦をアウェーで戦った遠藤は初日の練習を見送り、この日から合流した。今では3チームを掛け持ちする遠藤だが、「メンバーが違うだけで、自分のやるべきことは変わっていない。いつも通り、どの環境でも良い準備をすることだけに集中してやっています」と平然と話す。

「球際の戦いや切り替えの部分は湘南でもやっているし、U−22でもA代表でも変わらない。もちろんチームや監督によってやりたいサッカーは少し違いますけど、その中で自分の良さをそれぞれで出している」

 大忙しの1年だったが、A代表での経験は「自分にとってプラス」と収穫は多かった。ボランチで先発出場した11月17日のカンボジア戦についても「引いた相手に対してどう崩していくか、という部分で自分の課題も出た」と振り返り、「U−22でも、もし(来年1月の)最終予選で相手が引いてきたら、その経験を活かせると思います」と頼もしい言葉を口にした。

 まずは最終予選を突破して、リオ五輪の出場権を獲得することが最優先。遠藤もそのことを強調しつつ、今後も「チームとU−22、A代表を掛け持ちでやっていくつもりです」と3チームでプレーしたいとの意欲を示した。「一番、この時期が充実していますし、楽しいんで。本当になかなかない機会だと思うので、楽しみながらやれれば良い」。異なる3チームでの経験がU−22日本代表のキャプテンを進化させる。

取材・文=高尾太恵子