岩隈は“ビッグユニット”以来の年長選手によるノーノー達成

 マリナーズの岩隈久志投手が、12日(日本時間13日)の本拠地オリオールズ戦で日米通じて自身初のノーヒットノーランを達成。7奪三振3四球で今季4勝目(2敗)を挙げた右腕の偉業は日米で大きな話題を呼んだ。MLB公式サイトでは、メジャー史で継投による達成も含めて291度目となったノーヒッターをデータで特集している。

 まず記事で取り上げているのは、34歳での偉業達成という事実だ。34歳以上のノーヒットノーランは、マリナーズOBでもあるランディ・ジョンソン投手が、2004年5月18日にダイヤモンドバックスの一員として40歳で達成したブレーブス戦での完全試合まで遡るという。

 このとき、“ビッグユニット”の異名を持つ大投手は1904年にサイ・ヤングが37歳で打ち立てた最年長記録を塗り替えたが、岩隈はそれ以来では最年長での達成記録となったことにも言及している。

 また、指名打者制度の導入されているア・リーグでのノーヒットノーランは、投手が打席に立つナ・リーグよりも至難の技とされているが、岩隈を含めて最近3度の達成はいずれもマリナーズ。2012年8月15日に“キング”こと、フェリックス・フェルナンデス投手がレイズ戦で1−0での勝利を挙げ、同年6月8日のドジャース戦では6人の継投でノーヒッターを実現した。

 このマリナーズによる3連続同一球団のノーヒッターは、1960年のブレーブス以来の記録となったという。

ア・リーグの“空白期間”にナ・リーグでは12回もノーヒッターが誕生

 岩隈以前に最後にア・リーグでノーヒッターを成し遂げたのは、前述の12年8月のヘルナンデス。ほぼ3年間ぶりの達成となったが、この空白期間は両リーグ最長ブランクだと記事では紹介している。この間、ナ・リーグでは12回もノーヒッターが実現している。

 また、岩隈はメジャー初完投がノーヒットノーランとなったが、これは2012年4月にセーフコ・フィールドのマリナーズ戦で当時ホワイトソックスのフィリップ・ハンバー投手が初完投で完全試合を収めて以来のことだという。

 日本人としては、ドジャースとレッドソックスで2度達成している野茂英雄投手以来2人目という事実も、記事ではしっかりと紹介している。

 この日の岩隈の3四球は、4月14日のドジャース戦と並ぶ今季自己最多の数字。「コントロール・アーティスト」の異名を持つ右腕としては多い数字と言えるが、奇しくもその投球がメジャー3年目で最高の結果につながった。

 メジャー史にその名を刻んだ岩隈。偉業にまつわる1つ1つのデータも実に興味深い。