複数の韓国メディアは22日、韓国テレビ局の「KBS2TV」が放送した番組「追跡60分」の内容を一部紹介する記事を掲載した。同番組では東京の新大久保で熾烈な人生を送っている韓国人ニューカマー(在日や日本在住の韓国人を指す言葉)達を追跡し紹介したという。

 記事によれば、同番組では、 日韓国交正常化50周年を迎えた一方で日韓関係は冷えきっているとし、日本の新大久保はどのような影響を受けたかを調査したという。新大久保といえば「コリアンタウン」や「韓流通り」などと呼ばれ、韓流ブームにのり、急成長した場所だ。しかし、現在では多くの店が廃業状態であり、2012年8月、イ・ミョンバク前大統領が竹島(韓国名:独島)を訪問したことをきっかけに、「地獄に落ちていった」と紹介した。

 続けて記事は、イ・ミョンバク前大統領の「竹島訪問と天皇要求謝罪発言」から日本国内において嫌韓の動きが強まったとし、新大久保で当時お店を運営していたある社長は「韓流ブーム時には、私のお店の前にも行列ができたほど」としながらも、イ・ミョンバク前大統領の天皇謝罪要求発言以降、「国へ帰れ。(お前たちは)死ななければならない」などと暴言を言われたと述べたほか、当時は、侮辱的な発言をするデモも後を絶たなかったと伝えた。

 また記事は、新大久保の多くの店が廃業状態になった原因の1つとして、新大久保の不動産が急騰したことをあげたほか、新大久保では「韓国人同士よる商売の競争が過熱したあったことも原因の1つであったようだ」と紹介した。

 しかし一方で記事は、日本では「嫌韓やヘイトスピーチ」に反対する動きがあることも紹介。嫌韓運動に対して反対する日本のジャーナリストの本が出版されたり、ヘイトスピーチを主導する団体に抗議する団体も生まれたりしたと伝えたほか、過熱した商売の競争に対しては韓国人ニューカマー達が努力し、差別化されたサービスやメニュー開発など、取り組み始めたとし、新大久保の新たな飛躍を夢見て動き始めていると報じた。(編集担当:木村友乃)(イメージ写真提供:123RF)