反対に、マリオ・バロテッリのようなタイプは、ベルルスコーニ・オーナーが最も嫌うものであり、彼のことを“腐ったリンゴ”と呼んでいたほどだ。選手としての才能が多少劣っていても、きちんとしたプロ意識を持った選手を彼は好む。
その点で、ディエゴ・ロペスも本田もオーナーのお眼鏡に適う存在だ。メネーズだけはその範囲ではないが、彼の16ゴールがなかったら、ミランはセリエB降格の危機にすら瀕していたかもしれない。現状で、彼を手放すことはできないだろう。
とにかく、ベルルスコーニ・オーナーも認めたこの3人こそが、来シーズンのミランの礎となる。
ミランにとっても、本田個人にとっても残念なシーズンを過ごすなかで、本田がミランを出ていくという声が多く聞かれた。しかし彼のやる気と自己犠牲の精神が、それらを吹き飛ばしてしまったようだ。
本田は新生ミランの“出発点”であり、ピッチ内外での彼の行動は、新たにミランに加入する選手たちの手本となるだろう。
逆に言えば、こうした考えの基に、本田には絶対ミランに残ってもらいたいという願いを込めて、オーナーは本田の名前を挙げたのではないだろうか。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
- 前へ
- 2/2
外部リンクサッカーダイジェストWeb