今や株主優待で生活費のほとんどをまかなう話題の個人投資家となった桐谷広人さん。今回はその桐谷さんに株主優待株以外も記憶に強く刻まれた株の経験を語っていただいた。その天国と地獄とは…。

株主優待名人の成功の陰には
悲しい失敗の数々が!

 桐谷さんが「株主優待生活」をスタートさせたのは2008年頃からだが、株主優待そのものは、ずっと前から活用していたという。

「90年代にも優待を出している会社はありました。交通系や飲食店が多かったです。ただ株価が高かった」(桐谷さん)

 例えば居酒屋チェーンの北の家族。桐谷さんが買った時点での投資額は250万円程度だったという。

「株主優待は食事券3万円分でした。割引券は他社でもありましたが食事券は貴重で…」(桐谷さん)

 ただ、勘のいい読者ならお気づきかと思うが、そこは失われた20年とも呼ばれる景気低迷の端緒。その辺りで買った株は軒並み大幅に下落。しかも……。

「なまじ“株主優待券をもらえる”と思っているから、売り逃して上場廃止まで引っ張ってしまったの株も多いですね」(桐谷さん)

 北の家族で250万円、他に京樽や日航など例に挙げただけでも500万円以上の損失だ。

「百万円単位で損している銘柄は他にも多くありますが、潰れてない会社はまだ持ってる。これらは今、株で利益が出た時に売却して損を出して、節税するのに役立ってますよ(笑)」(桐谷さん)

 ところで、今発売中のダイヤモンド・ザイ6月号には、日本株が高値を更新する中で下落に強い株を買いたい人にオススメの「桐谷さんとザイが選んだ5〜10月に権利確定の株主優待ランキング」が載っている。最安2万円で買える株もあれば、配当&株主優待利回りが13%超の株もある。もちろん、桐谷さんが今オススメする株主優待株ベスト15も。また、第2特集の「失敗しない!儲かる株の選び方」には、こちらも下落に強い激安高配当株や決定時の上昇がウソのような下値放置の東京五輪株など、今ならではの株の選び方とオススメ株が満載だ。さらに「過去の暴落のサインに学ぶ!日本株の急落を見抜き逃れるテクニック」も必読。