独LCC「TUI Fly」の副操縦士が地中海の上空をフライト中に失神し、有能な客室乗務員が着陸を助けたという話題を先にお伝えしたばかりである。こういうことはなぜか続くもの。その直後に入ってきたのはアメリカン航空機の副操縦士の話題。こちらは上空で心肺停止の状態に陥ってしまったもようだ。

副操縦士が上空で死亡。こんなトラブルがコックピットに発生したのは、先月29日の夜、テキサス州ダラス・フォートワースを発ち、ニューメキシコ州アルバカーキに向かっていたアメリカン航空1353便。飛行機がアルバカーキ国際空港に着陸する体制に入ったところで副操縦士のウィリアム・マイク・グラブスさん(58)が突然の体調不良を訴え、意識を失ったという。

同機は機長ひとりの力でなんとかアルバカーキ国際空港に着陸。機長が管制塔に緊急事態を告げていたことからゲートには救急車が待機しており、すぐにグラブスさんを病院に救急搬送したがその命を救うことは叶わなかった。ボーイング737型機のパイロットとして2010年からアメリカン航空に乗務するようになったグラブスさんは、テネシー州レバノンに自宅を構え、息子が来月に大学卒業となることを楽しみにしていたという。

このたびのケースはすでに着陸態勢に入っていたこともあり、機長は乗客にその事実を知らせておらず、着陸時に「緊急事態発生により、皆さまの降機はしばらくお待ちください」とだけアナウンスしていた。パイロットには定期的な健康診断が義務付けられているが、それでも心臓発作などが稀に起きてしまうとのこと。現在パイロット不足は世界的な現象であり、米連邦航空局はその定年退職年齢を60歳から65歳に引き上げていた。神経をすり減らす仕事で睡眠不足も問題となるだけに、パイロットの高齢化には心配という声が多々出ているようだ。

出典:http://www.star-telegram.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)