韓国メディアのソウル経済は6日、韓国の「キムチ」と「焼き肉」などの韓国食品を「韓国版お寿司」としてグローバル化するため、韓国政府や食品業界の協力体制の構築が急務であると報じた。

 記事によると、韓国政府と食品業界は『韓食』のグローバル化において、「同床異夢(同じ事を行いながらも考えや思惑が異なること)」状態であると指摘。両者は、「Kフード(韓国食品)を新しい韓流として育てなければならない」という同じ志は持っているものの、それに対する準備や結果などにおいて、全く違った歩みを見せていると指摘した。

 実際、韓国の食品会社は、外国人を対象とした大規模イベントを各国の現地で開催し、Kフードを幅広く知らせている。また、独自の食品技術開発や世界的なブランド立ち上げにに力を注ぐなど、準備に余念がないうえ、Kフードの先駆者としての役割まで果たしている。

 しかし、一方の韓国政府は、“見せつける”という方法でKフードの実績作りに没頭しすぎたあまり、Kフードのイメージを少なからず損なわせたうえ、今更自国の食品会社を支援しようとしても遅いという状況であり、むしろ“お荷物状態”になっていると報じた。

 また、このような状況は、昨年8月、米国LAで開催された「KCON(Kコン2014)」と、同年5月、タイのバンコクで開催された「タイ国際食品博覧会(THAIFEX・World of Food Asia)」で、かなりの違いが顕著に現れていたと指摘した。(イメージ写真提供:123RF)

 米国LAで開催された「KCON(Kコン2014)」とは、ロサンゼルス・メモリアル・スポーツ・アリーナで、人気の韓流スターと直接会えたり、サイン会を催すなど、Viki(補助字幕の作成にクラウドソーシングを使用するビデオ や音楽のストリーミング ウェブサイト)とドラマビーンズ、韓国の俳優のショーン・リチャード氏が共同で手がけたイベントであった。そのイベントに韓国の食品会社であるCJ第一製糖が参加し、Kフードを用意。もちろん長蛇の列ができ、即完売。海を越えて「メイドインコリア」の食品が瞬く間に売れた瞬間であったと伝えた。

 しかし、一方の「タイ国際食品博覧会(THAIFEX・World of Food Asia)」では、中国に続き2番目に多い109社の韓国企業が参加。「第2の韓流ブーム」を巻き起こすのではないかと期待されていた。しかし、蓋を開けてみると、違っていた。韓国を代表しこの博覧会を運営したaTセンター(韓国農水産食品流通公社付属)でさえ準備に手間取り、イベントの二日目の午後にようやく商品を陳列。結局、タイ・日本・中国などにお客を奪われていったと指摘した。

 この状況に韓国の食品業界関係者は「今は政府と企業が共に手を組み、Kフードのグローバル化に乗り出さなければならない」とし「選択と集中戦略のもと、世界の主要食品博覧会から攻略するなど、差別化の政策を展開していかなければならない時期だ」と指摘したと報じた。(編集担当:李樹香)(イメージ写真提供:123RF)